徳川将軍と江戸幕府~家重、家治、家斉編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
第10代・家治から第11代・家斉へ…松平定信と老中たち
徳川将軍と江戸幕府の軌跡~家重、家治、家斉編(5)家斉の時代と老中の存在
徳川の治世は、優秀な老中によって支えられていた。第10代将軍・徳川家治が死去し、天明7年(1787年)に第11代・家斉が就任すると、松平定信が老中に就任して、寛政の改革が始まるが、松平定信は寛政5年(1793年)に失脚。その後、松平信明、戸田氏教、水野忠成らが、50年に及んだ家斉の時代を支えていく。(全5話中5話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:7分01秒
収録日:2020年12月14日
追加日:2022年2月12日
≪全文≫

●田沼意次と松平定信という優秀な政治家が続いた日本のダイナミズム


山内 われわれは、自然災害の恐ろしさや、自然に対する恐れを持たなければいけません。なぜかといえば、歴史の偶然性の中でも一番厳しいのが、自然災害の偶然性だからです。とくに江戸時代においてはそうでした。

 田沼意次は難しい時期に、彼なりの優先順序をつけて事業を行ったのです。それがしかし、不幸な歴史の偶然性などに左右されて失敗した。もっと不幸だったのは、彼の政治戦略、外交戦略の選択の中で、開国あるいは対露関係の開幕まで射程に置いた対外政策や外交ビジョン、そういった彼のスケールの大きさというものが、決してすぐには理解されなかったことです。

 この2つが結局、彼の「賂(まいない)政治」といわれる汚職、疑獄、贈収賄を多様化したとされます。これについても、かなり作られている部分が大きいのですが。政治的敗者は勝者によって断罪されていくし、敗者は情報を操作されています。先ほどの話ではありませんが、情報を加工されるのです。

 田沼意次と松平定信を比較していくと、なかなか面白いと思います。

 では松平定信はまったく凡庸な政治家だったかというと、そんなことはありません。問題は、資質の違う政治家が2人、相次いで出たということです。逆にいうと、日本の政治の魅力やダイナミクスはそういうところにあるわけでしょう。

―― 確かにそうですね。相次いで出るわけです。田沼がいなくなっても、すぐ出られるような人がいたことがすごいですよね。


●徳川が輝いていたのは在職50年、徳川家斉の時代


山内 そして、その定信が仕えた徳川家斉という将軍について、実は定信自身は5年ほどしか将軍補佐職として老中をしなかったという悲劇もあります。ところが家斉の在職年数は約50年、半世紀近くにわたって最高権力者でした。江戸時代から現代にいたるまで、このような人間がいるでしょうか。

―― 1787年から1837年とはすごいですよね。

山内 すごいことです。大変な長寿家であったと同時に、政治家として希有の経験をしました。定信という大変優秀な老中を得た。

 また家斉は大奥で遊興を重ねていたというイメージを持たれがちですが、本当に遊興だけでこれだけの長期間、治世がもったのかということ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎