明治維新とは~幕末を見る新たな史観
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
長州の軍事力に幕府が完敗した第二次長州討伐
明治維新とは~幕末を見る新たな史観(15)第二次長州征伐
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
長州を長らく許しがたく感じていた幕府が、ついに第二次長州征伐を行う。長州は三角貿易で得た武器によって軍事力が強化され、幕府に勝利する。今回は、第二次長州征伐について解説する。(全17話中第15話)
時間:9分37秒
収録日:2018年7月18日
追加日:2018年12月17日
≪全文≫

●第二次長州征伐と幕府の敗北


 幕府は第二次長州征伐を長らく望んでいましたが、とうとう慶応2年(1866年)に老中・小笠原長行が長州の藩主・毛利親子の隠居および減封処分を言い渡しました。これは実質的には宣戦布告です。

 幕府はペリー艦隊に匹敵する、立派な船をたくさん持っていました。そのうちの富士山丸が、まず長州藩領の周防大島を砲撃しました。その翌日には幕府の歩兵、松山藩兵が周防大島に上陸し、第二次征伐が開始されます。ハリー・パークスは長崎を出発して西郷に会い、数日に渡って交渉を行いました。イギリスは支援を惜しまないと言ったため、西郷は力を得たといわれています。

 他方、長州側は必死の状況でした。現在の広島県の芸州口周辺で幕軍と激突しており、幕府の方がずっと軍勢が多い状況でした。幕軍の先鋒は彦根藩兵でした。古式ゆかしい赤備えの甲冑を身にまとい、槍先をそろえて、法螺貝と太鼓を使った伝統的戦法で臨みました。

 それに対して、長州は2~3人1組で皆、ライフル銃を持っていたので、樹木や遮断物を利用して、狙撃を行いました。大村益次郎得意の散兵戦です。幕軍はひとたまりもなく、木っ端微塵です。

 小倉口の戦闘には、小笠原老中が向かいました。関門海峡を渡海して、一気に長州に攻め込むという計画でしたが、高杉晋作が考えた長州の軍艦による徹底的な艦砲射撃で、逆に田浦および門司に対する奇襲が行われ、なんと幕府の軍船200余隻が沈んでしまうのです。幕軍はここでも完敗です。

 石州口での最後の戦いでは、津和野藩領および浜田藩領が戦場になりましたが、幕府諸藩混成軍は抵抗せず、逃走者もおり、簡単に浜田城は占領されました。

 その浜田城落城の2日後の7月20日には、大坂城在陣中の将軍、家茂が神経痙攣を起こし、嘔吐などの症状を訴えた末、病状が悪化し、21歳の若さで病没します。幕府としてはすぐに新将軍を決め、第二次長州征伐を完遂しなければなりません。そうなると慶喜しか候補はいませんが、慶喜は難色を示しました。

 この人は駆け引きが得意なので、「やらせるのであれば、皆、頭を下げに来い」ということだったのでしょう。つまり、「私はまず徳川宗家を相続して、私自ら出陣し、あくまで武力で長州を屈服させる」と、実力で目にもの見せてやると息巻いたのです。幕府というよりも、徳川家の私戦であるという認識だったのです...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
『昭和16年夏の敗戦』と『昭和23年冬の暗号』
『昭和16年夏の敗戦』『昭和23年冬の暗号』が映す未来とは
猪瀬直樹
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高

人気の講義ランキングTOP10
老子の神髄(6)無為と矛盾のススメ
無為とは緊張感を持って見つめること…なぜ矛盾を大歓迎すべきか
田口佳史
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(22)「中国古代史」特集紹介!
【10min解説】「中国古代史という知の宝庫」特集の各話紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ