徳川将軍と江戸幕府~家慶と烈公斉昭
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
アヘン戦争はじめ内憂外患…第12代将軍・徳川家慶の時代
徳川将軍と江戸幕府~家慶と烈公斉昭(1)12代将軍・徳川家慶とはいかなる人物か
「平凡な将軍だ」と揶揄される徳川第12代将軍・家慶(いえよし)だが、実際にどのような人物だったのか。徳川家慶が将軍職に就いた頃、国内では飢饉の問題などがあり、日本近郊には外国船が出没し、また中国・清朝ではアヘン戦争が勃発するなど、日本は「内憂外患」という非常に危うい状況にあった。さらに、将軍・家慶には常に自身の地位を脅かす2人の存在があった。それはいったい誰なのか。家慶の実像について、当時の国内外の情勢と合わせて解説する。(全4話中1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:14分34秒
収録日:2021年3月8日
追加日:2023年10月3日
≪全文≫

●将軍就任時、「内憂外患」にさらされていた徳川家慶


―― 今日は12代将軍・徳川家慶のあたりから、ぜひお話を聞かせていただきたいと思います。

 天保の飢饉(1833年~1837年)があり、大塩平八郎の乱(1837年)が起きます。しかも、家慶が将軍職に就いて(1837年)から最初の4年間は、徳川家斉(11代将軍)が大御所政治を行うという形でした。その12代将軍・家慶の時代あたりから、いろいろなことが起こってきます。そのあたりを教えていただければと思います。

山内 徳川家15代将軍の中でも家慶がよくいわれるのは、どの当事者、近くにいた人間たちにも、「非常に凡庸な将軍、平凡な将軍だ」ということです。難しい言葉を使った人では越前の松平春嶽(松平慶永)が、「庸常(ようじょう)のきみだ」と言った。まったく平凡で、普通の将軍だったというのです。

 これは本人の生まれつきのものもありますが、いくつかの要因があります。まず、父親が15代将軍の中でも一番派手な、そして存在感の高い家斉だったということ。家斉は大御所時代を含めると50数年にわたって、事実上の将軍として、あるいは江戸城西の丸に入って大御所として君臨した人です。ですから、家慶は生まれて世継ぎになった後、何もできなかったわけです。そして40歳を過ぎてから、ようやく将軍職に就くことになります。そのような個性的な父親が前代でした。

 そして家慶は、何かにつけて家斉と比較されました。これが不幸なのですね。

―― なるほど。50数年の長期政権の後だったからですね。

山内 そうです。半世紀ですからね。

 ところが、家慶が将軍になってすぐ迎えた試練は、「内憂外患」です。この「内憂外患」という言葉を幕末政治で初めて使った人は、水戸藩の徳川斉昭(水戸斉昭)でした。慶喜の父親です。

 「内憂外患」の「内憂」には、まず飢饉の問題があった。あるいは武家政権の基礎である武士たちの収入が次第に減って苦しい思いをしている。あるいは消費者物価が上がる。そして、江戸の市中に贅沢(奢侈)が伝播していて、人々の生活が苦しくなっていく。これをなんとかしなくてはいけない。幕府の権威も下がっている。

 そこに「外患」、すなわち「外からの脅威」を感じるようになった。もともと鯨を捕る船(捕鯨船)が近辺に出没したというところから話は始まるけれども、家慶の時代には完全にそれが見えてい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(1)弥生時代はいつ始まったのか
なぜ弥生時代の始まりが600年も改まった?定説改訂の背景
藤尾慎一郎
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
インフレの行方…歴史から将来を予測する(5)トルコ化の可能性と円安の要因
年率80%を超えるインフレ!…日本は「トルコ化」するか?
養田功一郎
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(4)ベントの死闘とプロの責任感
「これからベントをやる。メンバーを決める!」…決死の現場
門田隆将
編集部ラジオ2026(3)高市政権の行方と「明治維新」
高市政権の今後は「明治維新」の歴史から見えてくる!?
テンミニッツ・アカデミー編集部
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
こどもと学ぶ戦争と平和(4)人間はなぜ戦争をするのか
人間はなぜ戦争をするのか?2つの要因から問う平和の条件
小原雅博
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
徳と仏教の人生論(6)物事の本質を見極めるために
「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの
田口佳史