徳川将軍と江戸幕府~家慶と烈公斉昭
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
なぜ将軍家慶は忌み嫌っていた斉昭の子をかわいがったのか
徳川将軍と江戸幕府~家慶と烈公斉昭(3)家慶と斉昭の歪な関係性
優秀な政治家だと思われた水戸の徳川斉昭を、徳川家慶は幕府から外す決断をする。厳しい倹約政策を行いすぎた斉昭に圧力がかかったわけだが、斉昭が引退を迫られたのはそれだけが理由ではなかった。家慶と斉昭の間にどのような軋轢があったのだろうか。一方で家慶は、斉昭の子・慶喜を重宝することになるのだが、やがてこれが家慶の子・家定にも影響をもたすことになるのだった。(全4話中3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:14分41秒
収録日:2021年3月8日
追加日:2023年10月17日
≪全文≫

●厳しい倹約政策のせい!? 圧力がかかって幕府から外された斉昭


―― 徳川斉昭が44歳の時に、(幕府が)バサッと斉昭を外した。これはたいしたものですよね。

山内 それはなぜだったのか。いくつか理由はあるけれども、徳川家慶本人からすると、やはり斉昭が煙たいといえば煙たいのです。それから、改革をやっていく上で水野忠邦も斉昭を煙たがった。斉昭も同じようなことを行っていて、基本的には倹約政策だったのですが…。

 それから、この考え方は幕末にかなり強まるのだけれども、例えば徳川家康を東照大権現とする思想は本来神道であって、神道一道でやるべきはずのものなのに、天台宗の天海大僧正が食い込んできて、天台宗と神道とを混淆させた形で行うということで、東照大権現の存在を歪めたのです。

 それから、江戸時代に日本の信仰や宗教をおかしくしたのは仏教だったのです。実際、江戸時代を通して、水野の「天保の改革」もすごいけれども、取り締まりをいろいろと行います。その取り締まりは、芝居をとにかく徹底して叩く。歌舞伎も叩く。それから、今でいうところの出版統制も行ったりする。同時に、宗教信仰にも厳しい。

 あとは風俗です。合法化された吉原以外の場所は「岡場所」と呼び、隠し売女(隠れて色を売る)がいました。これは風俗を損ない、かつ勤労の成果を蝕んでいくということで禁止していく。

 もう1つ、忘れてはいけないのは、仏教に対する目が厳しくなってくることです。何を行うかというと、お寺の住職の姦通――姦通とはこの場合、坊主という清僧の身でありながら女性と通じること――はけしからんと、寺社奉行がときどき摘発するのです。これを水野の時代に大規模に行っています。同時代で多く摘発されるのは、なぜかは興味深いのですが、日蓮宗です。他の宗派ももちろんあります。これをもっと徹底して行ったのが斉昭なのです。

―― 水戸(藩)で行ったわけですね。

山内 常陸で行ったのです。ところが、寺は侮れません。寺は同時に、大奥の女中、夫人たち、側室たちの信仰対象です。それから、将軍の母や、前将軍の誰それとか。特に家斉の側室の1人であるお美代の方は、日蓮宗の強烈な信者です。こういった人間からのプレッシャーがある。

 それから京都でも、天皇家は「泉涌寺(せんにゅうじ)」という檀家寺を持っています。ですから、確かに神道なのだけれども、同...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
信長軍団の戦い方(1)母衣衆と織田信長の残忍性
織田信長を支えた母衣衆に見る戦国のダンディズム
中村彰彦
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄
技術と民生から見た明治維新(1)遠藤謹助
遠藤謹助―造幣局をつくった「造幣の父」
山内昌之
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(5)ゴールドや暗号通貨への評価
ゴールドやビットコインへの評価は?…現代社会の写し鏡
養田功一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄