徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
阿部正弘は中庸の人なのか?指導者に重要な「狂と狷」
第2話へ進む
26歳で老中首座…阿部正弘が幕末の動乱期に担った使命とは
徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編(1)若き老中首座・阿部正弘の使命
阿部正弘は幕末の若き老中首座として、徳川家斉・徳川家慶・徳川家定の時代を支えた。黒船で泰平を揺るがしたペリーが再来し、日米和親条約が結ばれ、鎖国政策は終わりを告げる。近代日本への舵取りを果たしたと評価される阿部正弘について、われわれはどれだけのことを知っているだろうか。今回は江戸後期の政治家として水野忠邦から阿部正弘、井伊直弼へと至る歴史の流れを俯瞰しながら、幕末の動乱期に阿部正弘が担った使命に迫る。(全5話中第1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:13分35秒
収録日:2021年3月29日
追加日:2024年3月9日
≪全文≫

●水野忠邦・阿部正弘・井伊直弼――連続的に捉える歴史の見方が大事


―― 先生、今日はペリー来航の話からで、阿部正弘の人物像ですね。阿部正弘の強かった部分と弱かった部分ですが、特に彼の最大の功績は、やはり若手の優秀な人たちを(抜擢したことでしょうか)。

山内 実務官僚ですね。

―― 実務官僚の流れは阿部正弘から始まるのではないかと思っています。しかも川路聖謨(かわじとしあきら)、岩瀬忠震、永井尚志、勝海舟という錚々たる人間を一斉に登用できた点、非常に柔軟に感じます。

 また、海軍の元になるような形の学校を作ってみたり、専門通訳を養成したりします。ロシアとの交渉にあたっては、現在のキャリアとノンキャリアの採用の仕組みに近い形も取ったようです。この時に川路聖謨を語学のスペシャリストとした。非常に近代的な、日本の明治以降に続く官僚制度の元をつくった人になるのかという感じがしています。

 阿部正弘には徳川斉昭を抜擢して非常に混乱を招いた部分と、次世代につながる優秀な人たちを、決して石高は高くないけれど試験で選抜して役人に取り立てるようにした部分がある。その人たちが幕末もさることながら、結局は明治政府を支えていった。そのあたりについて、先生の評価やお話をお聞かせいただければと思います。

山内 大変重要な点をご指摘されましたね。今日は全部お話しできないかもしれないですが、たしかに阿部正弘を強調されたのは大変重要な点です。

 ただ、その半面、阿部正弘がなんとなくわれわれの意識で善あるいは非常に前向きの政治家であったと映るのは、比べる素材があって阿部正弘が高く見えるわけです。

 今のご指摘がそうであったというわけではないですが、日本人が阿部正弘を評価する場合は暗黙のうちに、その前の水野忠邦がいる。老中だった水野越前守忠邦に対する評価は、どちらかというと低いですね。それからもう一つ。阿部正弘の後で大老職を務める井伊掃部頭直弼、後の井伊直弼、前の水野忠邦に比べて、阿部正弘が高く見えるというわけです。

 実際の阿部正弘は決して単純な人間でもないし、本当にそう高く評価される(ハイリー・エバリュエートな)人間かどうかというと、疑問を感じます。その疑問を今、私は考えているところです。

 逆に今、水野忠邦は非常に悪く捉えられています。天保の改革が、最後は打ちこわしを招き、西...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介

人気の講義ランキングTOP10
老子の神髄(7)『老子道徳経』「去用第四十」
緊張や怒りをコントロールするには?老子に学ぶ精神と肉体の関係
田口佳史
日本の財政の真実を検証する(4)日本の台所事情と財政の本義
「1秒間に41万円?」…この数字はいったい何を意味するか?
宮本弘曉
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
中国春秋戦国時代と始皇帝(3)戦国時代初期――戦国七雄と合従連衡
戦国七雄とは?合従連衡とは?…各国の勢力拡大と小国家の運命
鶴間和幸