徳川将軍と江戸幕府~徳川家斉
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
殿席でのインフレ…“子だくさん”徳川家斉が招いた混乱
徳川将軍と江戸幕府~徳川家斉(2)家斉への反感と家格の変動
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
11代将軍・徳川家斉の行った「自分の血を各家に入れていく」という方針は、各所にひずみをもたらすことになる。“子だくさん”ゆえに、もしかしたら次期将軍になるかもしれないという資格を持つ人間が増えてしまい、殿席においてはより良い扱いを求められ、家格においては過度な動きを誘発することになってしまったのだ。では実際にどのような混乱が生じたのだろうか。(全4話中2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10分44秒
収録日:2020年12月14日
追加日:2023年8月2日
≪全文≫

●大名のランクは「国持かどうか」が重要


山内 (徳川家斉が行った「自分の血を行きわたらせる」施策について、マイナス面の)二つ目は、ものすごくいびつな構造が起きるのです。将軍の血を受けた、少し間違えれば次期将軍になるかもしれない資格を持つ人間たちばかりが、殿様として来るわけです。そうした人間が来たら、例えば従来の蜂須賀や南部などの格、あるいは鍋島や浅野などの格を変えないといけないわけです。

 どういうふうに変えるか。江戸時代の大名のいろいろなランキングは複雑で、われわれがよく用いる方法は、「親藩、譜代、外様」という分け方です。それから二つ目は、「石高」で分けます。103万石の前田が一番上で、次は70数万石の薩摩、次は64万石の伊達といったように。このように石高で分ける方法もあるけれど、これは非常にアマチュアリッシュ(素人っぽい)な見方です。それを別の言葉で置き換えると「国主、国持であるかどうか」、あるいは「準国持、準国主であるかどうか」。この「国持かどうか」が大きいのです。

 この場合の国持、国主とは、例えば「薩摩を持っている(あるいは薩摩の一国を持っている)」「筑前を黒田が持っている」「土佐を山内が持っている」といったように律令制からこのかた、一国(国の単位)をそのまま領地している(所領として持っている)ところもあります。

 けれども、例えば肥前の鍋島とか。また、実は肥後の細川は、相良(さがら)が入っているので一国ではありません。それから伊達は、陸奥一国ではないでしょう。一国(だけ)を領地としていなくても、陸奥の伊達、あるいは細川、鍋島のようなものは、浅野が安芸国を一国と備後も一国を持っているのと同じように、「国主」と呼ばれたわけです。

―― なるほど。

山内 反対に、小さい国を持っている領主もいます。対馬の宗(そう)や、それから松浦は壱岐を持っている。それから、志摩を持っている鳥羽城主など。これらはいずれも国を持っているけれども、「国主」とはいわないのです。

 この「国主であるかどうか」が、武家大名ランキングで非常に大きい一つの基準になるのです。これに石高が組み合わさるのですが、「国主」であることは圧倒的に大きい。その国持に準じる格があるのが、柳川の立花や、伊予の伊達(伊達家の分家であり、政宗の長男・秀宗から始まった家)です。そういう家が国持格、国...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
信長軍団の戦い方(1)母衣衆と織田信長の残忍性
織田信長を支えた母衣衆に見る戦国のダンディズム
中村彰彦
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
ソフトな歴史学のすすめ(1)グローバル・ヒストリーと民俗学
グローバル・ヒストリーの中で日本の歴史を俯瞰する意味
上野誠
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘

人気の講義ランキングTOP10
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(2)60%雇用が影響を受ける
雇用の60%にAIの影響が…「わかってから動く」では遅すぎる
宮本弘曉
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
編集部ラジオ2026(14)小宮山宏先生:知識の構造化のために
【10min名作探訪】テンミニッツ・アカデミーの意義と発想法
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
「逆・タイムマシン経営論」で見抜く思考の罠(5)本性主義の経営とコロナ
本性主義の経営――コロナ禍でも人間の本性は変わらない
楠木建
ウェルビーイングを高めるDE&I(1)人と組織を取り巻く環境変化:前編
人材はコストではない!人的資本経営が注目されている背景
青島未佳
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎