江戸時代を支えた大奥
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
徳川幕府を動かした「大奥」の強大な政治力とスキャンダル
江戸時代を支えた大奥(2)政治を動かした大奥の女性たち
堀口茉純(歴史作家/江戸風俗研究家)
プライベートな空間を取り仕切る場としてつくられた大奥だが、その役割は政治にも及んでいた。とくに人事面においては、その人脈を武器に表の政治を支えた大奥の女性たちがいた。大奥で存在感を発揮した歴々の女性の活躍を追うと、これまでの大奥への見方が大きく変わる。(全2話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分07秒
収録日:2023年8月21日
追加日:2023年10月22日
≪全文≫

●「江戸時代のキャリアウーマン」が集う大奥の職制


―― 第1話では、いかに大奥ができてきたのかについて、そこにおいて春日局がどれだけ重要な役割を果たしたのか、どういう思いで作ったのかというお話をいただきました。では、出来上がった大奥が、具体的にどのようなものだったのかということをぜひ教えていただきたいです。いわゆる職制について、いろいろな立場の方がいたと思うのですが、どういう構成になっていたのでしょうか。

堀口 そうですね。大奥の頂点というのは、当然将軍と将軍の正室である御台所(みだいどころ)なわけですが、将軍と御台所のそれぞれに女性の役人がつきました。雑用係まで含めると、増減はあるわけですが、およそ2000人の女性たちが大奥で働いていたといわれています。

―― 幕末の頃になると、費用節減で大奥の人数を減らすという話になってきたりすることもあるそうですね。

堀口 そうですね。お金がかかります。いろいろな役職もあり、職制がございますので、詳しく見ていきます。

 こちらが江戸時代後期頃の大奥の女中の役職でございます。とくに、将軍お目見え以上、つまり将軍と対面する資格のある女中ということなのですが、お目見え以上の奥女中になるには、基本的には旗本の武家の女子である必要があります。

 ただ、それ以外の場合でも、一度旗本の養女になって大奥に上がるというパターンもありました。ちなみに、大奥というと、なんとなく将軍の側室のハーレム的な漠然としたイメージを持ちがちなのですが、側室というのはこの職制の中の「御中臈(おちゅうろう)」という役人から出ます。

 御中臈というのは身の回りのお世話をする付き人的な役目なのです。将軍付きと御台様付きの御中臈がいるのですが、将軍付きの御中臈の中から何人かにお手がつく、もしくはお手つきになった女中が御中臈になるということもたまにあるのですが、いわゆるこれが側室と呼ばれる人たちでした。

―― ということは、なんでもかんでもという話ではないということなのですね。

堀口 そうなのですよ。大奥の女性たちみんなに将軍のお手がついたというわけではないということです。大奥というのは、江戸時代のキャリアウーマンの世界であり、最高峰の女性役人の世界でして、主に人事の面で表の幕府の政治面に大きな影響を持ちました...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
戦国合戦の真実(1)兵の動員はこうして行なわれた
戦国時代の兵の動員とは?…無視できない農民の事情
中村彰彦
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博
歌舞伎はスゴイ(4)歌舞伎のサバイバル術(後編)
江戸時代の歌舞伎にも大波乱が…どうやって生き残ったか
堀口茉純
「進化」への誤解…本当は何か?(6)木村資生の中立説
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
長谷川眞理子
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(2)秀吉の実像と「太閤神話」
秀吉・秀長の出自は本当は…実像は従来のイメージと大違い
黒田基樹
株価と歴史…トランプ関税の影響を読む(2)株価リターンの歴史から考える
株式リターンの歴史検証…大きな構造変化の影響を見抜く
養田功一郎
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝