『江戸名所図会』で歩く東京~両国
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相撲から供養まで「聖俗表裏一体」な両国回向院の歴史
『江戸名所図会』で歩く東京~両国(3)回向院を訪ねる
歴史と社会
堀口茉純(歴史作家/江戸風俗研究家)
両国といえば相撲だが、その歴史は江戸時代に建てられた回向院での「勧進相撲」にまで遡る。大火の犠牲になった無縁仏から、馬や猫といったあらゆる生き物の供養を担った回向院は、有名寺院の出開帳の場として活況を呈した。実際に両国橋や回向院をロケで訪ね、江戸時代から移ろう現在の姿を観察する。(全3話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分45秒
収録日:2024年6月5日
追加日:2024年10月3日
≪全文≫

●両国橋の東側には何があったのか


―― 前回は両国の橋の西側の話ということでございましたが、今回は橋を渡って東側のお話でございますね。

堀口 はい。まずは『江戸名所図会』の「両国橋」をご覧ください。

―― はい。

堀口 手前側が前回お話の中心になった両国広小路、そして隅田川を越えて向かい側が今回のお話の中心ということです。

―― この絵ですと少し小さめに描かれておりますけれども。

堀口 はい。拡大して見ていきましょうか。

―― はい。

堀口 ということで、川沿いにはびっしり提灯が下がったお茶屋さんのようなお店が並んでおりまして、軽業(かるわざ)とか見世物といった葭簀(よしず)張りの小屋が建っています。

―― ここも広小路になっていたわけですね。

堀口 そうですね。少し広い、広場のようなところにテントが出ているという区域になっております。


●両国橋の移り変わりを感じる


―― 堀口さん、ここが両国橋の上ですね。まさに橋の真上になります。

堀口 現代の両国橋ですね。

―― はい。江戸時代の橋の長さは170メートルだったということで、現在の橋も164メートルということですから、ほぼ(同じですね)。

堀口 そうですね。現代の橋のほうが少し上流なので、やはり多少川幅が狭くなっていますから、少し短いですけれども、だいたいこのくらいの感じです。

―― しかし、この橋を1日2万5000人も通るというのは、相当すごいことですよね。

堀口 はい。この日本橋側から、庶民の町ともいえる両国の方面に向かって往来が激しかったのだろうということは、あの江戸名所図会を思い浮かべると、なんとなく見えてくるようです。

―― そうですね。人がたくさんで、また花火のときにはわんさかと、ということですね。

堀口 そうですね。

堀口 両国広小路があちら側にあったということです。いまはもう見る影もないのですけれど。

―― そうですね。

堀口 どちらかというと、現在両国駅がある向こうのほうが、現在も繁華街にはなっています。

―― そうですね。その辺りの移り変わりもおもしろいところです。でも、多少場所が変わったとはいえ、橋がこのように同じように架かっているというのは、想像していくとおもしろいものですよね。

堀口 はい。隅田川は江戸時代から流れ変わ...

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