国際地域研究へのいざない
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
明治維新を成し遂げた日本が当時直面していた困難とは何か
国際地域研究へのいざない(5)苦境の日本と帝国主義の波
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
地域研究の3つ目の例として、世界的にも近代史の奇跡といわれる日本の明治維新を取り上げる。米墨戦争の名将ペリーが日本に来航した時、徳川幕府は経済的に行き詰まった状況にあった。のちに維新の立役者となる長州藩と薩摩藩も、外様大名として幕藩体制下で冷遇され、財政が破綻しかかっていた。維新の改革が断行される前の日本が直面していた状況に関して、島田晴雄氏が解説する。(全8話中第5話)
時間:10分30秒
収録日:2020年4月7日
追加日:2020年12月12日
≪全文≫

●明治維新は世界近代史の奇跡


 もう一つ、地域研究の例として、幕末から維新にかけての日本を取り上げます。これも私が長いエッセイを書いて、テンミニッツTVで何度もお話しさせていただきました。

 明治維新は、日本近代史の奇跡といわれていますが、日本だけではなく世界近代史の奇跡なのです。なぜあのようなことが可能だったのでしょうか。例えば、世界の革命の歴史の中で、あれほど短期間で、ほとんど血も流さず、見事に体制を変換させたのは、世界史上でも珍しいのです。

 当時は地政学的に帝国主義が世界を支配していた時代で、多くの国が欧米の植民地となりました。ところが、日本はアジアの中ではタイと並んで、珍しく植民地になっていない国です。しかも明治維新が終わって30年前後で、日本は世界の列強の一つとなりました。国際連盟体制下での列強は、アメリカ、イギリス、フランス、日本などです。ドイツは入っていません。こうした国の一角を占めていたのです。そこまで急速な発展を遂げた理由は、日本の奇跡として世界中の関心を集めています。

 もう一つ、日本の奇跡として挙げられるのは、第二次世界大戦後の復興です。アメリカ相手に無謀な戦いをして、原爆を2発落とされて、焼け野原になった国が、約20年後にはアメリカに次ぐ経済大国になったことも、奇跡として受け取られています。

 今回は前者の、封建制から近代国家に生まれ変わった幕末維新の日本を取り上げて、どのように理解すれば良いか、解説していこうと思います。


●植民地化の波が押し寄せた時、日本は行き詰まっていた


 明治維新を成し遂げた当時の日本は、帝国主義の波が徐々にアジアに押し寄せつつある最中でした。この時代には、欧米が急速に台頭して、アジア各地に植民地を広げました。アジアだけではなく、大西洋を囲む地域もアメリカの台頭で植民地化されていきました。

 アジアに関しては、1840年から42年にかけて中国でアヘン戦争が起きました。さらに、その結果残った遺恨を蒸し返すように、1856年にはアロー号事件が起きました。それからしばらくして、インドは植民地化されました。

 日本に対する植民地化の影響は、ペリーの来航とともに訪れました。第一次来航が1853年で、その翌年の第二次来航の際に、開国条約を結ばされました。この艦隊を率いたマシュー・ペリー提督の経歴は、日本ではあまり知られて...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
国際地域研究へのいざない(1)地域研究の意味とイスラエル研究
なぜ経済学で軽視されてきた「地域研究」が最高の学問なのか
島田晴雄
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
『貞観政要』を読む(2)著作に登場する人物たち
房玄齢・杜如晦・魏徴・王珪―太宗の四人の優れた側近
田口佳史
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
杉山晋輔
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(2)米中対立の現在地
全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機
佐橋亮
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照