国際地域研究へのいざない
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インドでモディ首相の下、急速に進められている改革とは
国際地域研究へのいざない(3)発展する経済大国インド
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
地域研究の2つ目の題材として、近年IT産業の分野で急激な発展を見せているインドを扱う。シリコンバレーの下請けとして発展したバンガロールは、今や世界的なIT産業の中心地となり、インドの発展を牽引している。インドは若い人口も多く、今後も発展し続けると考えられるが、世界のリーダー国としての資質をこれから身につけていく必要がある。モディ首相が主導するトップダウン型のさまざまな改革が、インドの国際的な立ち位置をどのように変えていくのか、今後も注視していく必要がある。(全8話中第3話)
時間:7分10秒
収録日:2020年4月7日
追加日:2020年11月28日
≪全文≫

●アメリカ、中国に次ぐ経済大国としての道を歩んでいるインド


 次にインドについて考えてみたいと思います。

 インドについて日本だけでなく世界中が関心を持っているのは、IT立国としての急速な発展です。インドの人口は13億人で、間も無く中国を追い抜くといわれています。しかも、まだまだ人口構成が若いのです。経済発展の最大の要因は人口ですから、このような傾向が続けば、やがてインドは第3の強力な経済国家になるかもしれません。

 これまでの世界を仕切っていたのはアメリカです。それに対して、中国が覇権を持とうという動きを示しており、覇権争いが起こっているのです。インドは今から20年、30年後には、この両国に比肩する第3の強力な経済として存在するかもしれません。したがって、われわれは今からインドについて学んでおく必要があるのです。こうした背景が、インドという国を研究する共通のモティベーションになっていると思います。

 IT立国として成長の立役者は、インド南部にあるバンガロールという最先端都市です。シリコンバレーの下請けとして、急速に発展しました。ところが、下請けを続けるうちに、さまざまな技術を身につけ、最近では自己開発ができるようになり、とうとう技術開発水準でシリコンバレーに肩を並べるようになりました。しかも、これが起点となって、インドの各地の主要都市が、次から次へとITの産業都市に変化していきました。

 インドには13億人の国民がいる上に、もともと数学が強い民族性だといわれています。したがって、超優秀な人材を大量に調達できるのです。アメリカのMITを擬してつくったIITと呼ばれる世界最高水準の大学が、インドには23校あります。これらの大学から、1年間に合計で9000人程度の学生が卒業するのですが、彼らは世界の諸国から見ると垂涎の的です。こうした理由で、アメリカやヨーロッパ、中国、韓国の企業が、バンガロールを中心にインドに大量に進出しています。ですので、バンガロールはアメリカのシリコンバレー、中国の深センに次ぐ、世界のデジタルトランスフォーメーションの中心になる可能性があります。可能性ではなく、すでになっているといっても過言ではないでしょう。


●インドはリーダー国としての資質を身につけていく必要がある


 この国が世界のリーダー国となるかどうかは、キー・クエスチョンです。平均年齢25歳の13...

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