幕末・維新史を学ぶ~英傑たちの決断
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
一橋派、尊攘激派、そして薩長連合…単純ではなかった経緯
幕末・維新史を学ぶ~英傑たちの決断(3)薩長連合の成立
落合弘樹(明治大学文学部教授)
薩長連合については、坂本龍馬が薩摩藩の西郷隆盛と長州藩の木戸孝允を握手させたという話が有名だが、そんな単純なことではないと、落合弘樹氏は言う。ではどのように薩長連合は成立していくのか。その歴史的背景とともに解説する。(全6話中第3話)
時間:17分58秒
収録日:2018年8月20日
追加日:2018年11月1日
≪全文≫

●朝廷・幕府間のねじれと、島津久光による事態の収拾


 今回は、薩長連合がどのように成立したのか、お話ししたいと思います。

 前回お話しした安政期の政局によって、京都と江戸、要するに朝廷と幕府が、非常にねじれた関係になったわけです。天皇は、あくまでも攘夷を叡慮としていました。一方で幕府は、外国と条約を結んでいくことは不可避だと考えていました。条約を結んだ後、当時へんぴな場所であった横浜が日々発展して、急速に貿易港として展開していく。これを見ると、もはや後戻りができないというわけです。

 しかし、こういったねじれが国内で生じている状況では、外国につけ込まれる可能性があるわけです。そこで、危機意識を持った人々が、いろいろな形でこのねじれを解消しようと考えます。その中で乗り出してきたのが、島津斉彬の弟である島津久光でした。斉彬は、開国が当然だという立場を取っていましたが、久光もまた、開国を前提に事態を収拾しようとしたのです。久光は、天皇と幕府が和解するためには、兄である斉彬が与した一橋派を復権させる必要があると考えました。そこで久光は、卒兵上京を行い、勅使の大原重徳を擁して、幕府に改革を求めます。


●一橋派の復権と一橋派による幕政改革


 久光のこの行動の結果、それまで失脚していた一橋派が、再び表舞台に出てきます。例えば松平慶永は、隠居して「松平春嶽」と名乗っていましたが、政事総裁職という、実質において幕政の一番中心に位置する立場に就きます。それから、将軍である徳川家茂はまだ10代の半ばと非常に若かったので、家茂を補佐する立場として、一橋慶喜が将軍後見職に就きました。さらには、京都の守護はそれまで実質的に彦根藩井伊家が担っていたわけですが、それに代わって会津藩主・松平容保を京都守護職に任命します。

 松平慶永や松平容保は、徳川を名乗らないものの、家門と呼ばれる、徳川家の子孫の筆頭に属する人物です。また一橋慶喜は、御三卿に当たります。それまでは、御三卿あるいは家門大名が幕政の中枢を担当することは、絶対にありませんでした。

 政事総裁職になった松平慶永は、思い切った改革をいくつか行いますが、その中でも画期的だったのが、参勤交代を緩和したことです。それまでは1年置きだった参勤交代を、3年置きに変えました。これは、実質的には廃止といってもいいような措置だったわけ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
20世紀前半の日中関係~この歴史から何を学ぶか(1)
極東の小国が旧超大国・清に挑戦した日清戦争
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
もののあはれと日本の道徳・倫理(4)「なあなあ」の日本ともののあわれ
「なあなあ」と自粛警察…大和魂と漢才の対から見えるもの
板東洋介
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
日本神話の基本を知る~世界・人間・文化のはじまり
「国生み・国作り・国譲り・国治め」と「むすひ」の力
鎌田東二
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(6)賃金の未来シナリオ
AIが人間の仕事を「完全代替」したらどうなる?…仕事と賃金の未来
宮本弘曉
ウェルビーイングを高めるDE&I(5)心理的安全性の高い組織づくり
無知、無能、邪魔!?…心理的安全性を阻害する5つの要因
青島未佳