幕末・維新史を学ぶ~英傑たちの決断
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
明治初期の国家建設と維新三傑の動き
幕末・維新史を学ぶ~英傑たちの決断(6)明治国家と維新三傑
歴史と社会
落合弘樹(明治大学文学部史学地理学科専任教授/博士(文学))
大久保利通と木戸孝允らが岩倉使節団として派遣される中、西郷隆盛ら留守政府は数々の改革を行う。その後に西郷が西南戦争を起こすと、戦争を経て中央集権化が達成されることとなる。シリーズレクチャー最終話では、西郷・大久保・木戸という維新三傑を中心に行った明治初期の国家建設について解説する。(全6話中第6話)
時間:15分26秒
収録日:2018年8月20日
追加日:2018年11月1日
≪全文≫

●廃藩置県後の明治国家の建設と岩倉使節団の派遣


 明治維新の前は全国で250以上の大名が存在したわけですが、廃藩置県によって藩を廃止して、天皇を中心とする政府が全国全てを統治するという体制が出来上がります。この廃藩置県は、幕末以来活躍してきた、西郷隆盛・大久保利通・木戸孝允といった三人の実力者が結束した上で断行されました。

 しかし、そういう統一国家が出来上がった後には、これからどういう国づくりをするのかが模索されるわけです。そしてここで、かなり思い切ったことが行われます。それが岩倉使節団の派遣だったわけです。写真に写っているのは、真ん中にいるのが大使の岩倉具視です。左側が参議の木戸孝允で、一番右側が大久保利通です。そのすぐ横に立っているのが伊藤博文です。

 こういった政府の重要人物が長期間、アメリカ、イギリス、その他の欧米列強へと、いわば長期研修旅行に出かけるのです。

 この使節団の目的は、まずは欧米各国との親善です。後は、この時期には、幕末に結ばれた条約の期限が来ていました。ただ、条約はこのまま維持しようとします。それはなぜかというと、今はまだ準備不足だということです。そういうことで、今の条約をそのまま継続するように交渉をするのが、2番目の目的でした。

 ただし、1番の目的は、欧米列強の近代化がどのように達成されたのか、その基礎というものを知ることでした。これから国家を背負って立つ人物たち、あるいは知識人たちが、欧米列強を実際に見聞して、今後の国づくりの基礎を打ち立てよう、という目的があったのです。

 大久保利通は、イギリスに行って、煙突から黒煙が立ち上がり、機械工業が発達していろいろな製品を作っていることに、大きな衝撃を受けました。イギリスはもともと、日本と同じでそれほど豊かな国ではなく、いわば島国でした。しかしながら、今や世界を押さえている。それでは一体、どういう手段でそういうことが可能になったのか。それは、産業を育成して工業を発展させたことです。そこで、日本もそれに続くのだという決心をするわけです。

 また、それまでにいろいろな国内改革を主導してきた木戸孝允は、いろいろな改革をやったのですが、欧米列強のような進歩に到達するにはまだまだ落差があると、痛感するのです。


●留守政府による三大改革~...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
寛政の改革・学問吟味と現代の教育改革(1)学問吟味の導入と正統性の問題
松平定信のもう一つの功績「学問吟味」の画期性に注目
中島隆博
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
人類の祖先たちの「出アフリカ」…その時期はいつ頃?
斎藤成也
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
『三国志』から見た卑弥呼(1)『魏志倭人伝』の邪馬台国
異民族の記述としては異例な『魏志倭人伝』と邪馬台国
渡邉義浩

人気の講義ランキングTOP10
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(3)共同保育を現代社会に取り戻す
狩猟採集生活の知恵を生かせ!共同保育実現に向けた動き
長谷川眞理子
数学と音楽の不思議な関係(3)音と三角関数とフーリエ級数
フーリエ解析、三角関数…数学を使えば音の原材料が分かる
中島さち子
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(2)外交と軍事のバランス
外政家・原敬とは違う…職業外交官・幣原喜重郎の評価は?
小原雅博
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将