源氏将軍断絶と承久の乱
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
なぜ後鳥羽上皇は北条義時と鎌倉幕府に不満を募らせたか
源氏将軍断絶と承久の乱(10)後鳥羽上皇との対立の火種
坂井孝一(創価大学文学部教授/博士(文学))
親王将軍に代わり2歳の三寅が将軍予定者として迎え入れられる。これに異を唱えたのが摂津源氏の源頼茂だが、謀反は計画段階で漏れ、追い詰められた頼茂は大内裏に火を放つ。いたく傷つけられた後鳥羽上皇の心は、幕府への憎しみとなる。一方、集団体制の幕府内では北条義時がそれまで署名に用いていた「右京権大夫」という役職を「陸奥守」に変えた。このことが意味することとは。(全12話中第10話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分46秒
収録日:2022年7月13日
追加日:2022年11月13日
≪全文≫

●次期将軍予定者「三寅」の迎え入れと源頼茂の追討


坂井 結局、親王は最終的には(鎌倉には)下さないことになります。幕府が「では、誰にするか」とおうかがいを立てると、後鳥羽上皇から「摂政や関白の子供でも、反対しない」と言われます。後鳥羽上皇としても親王は下さないけれど、朝廷と幕府が完全に敵対することは望んでいないわけです。ですから、摂政や関白の息子であれば容認するという発言をしました。

 それを三浦義村あたりが聞いて、「では」といろいろ調べたところ、(源)頼朝の血筋の遠縁で、九条道家の息子に三寅(みとら)という2歳の幼児がいます(後の藤原頼経)。それを将軍予定者として迎え入れるというふうに決定が下されます。

 ただ、その三寅が鎌倉に下っている最中に、不満を持った源頼茂という摂津源氏の有力者がいました。以仁王の乱のときに一緒に挙兵し、武力となった源頼政の子孫です。内裏を守る役目を仰せつかっている名門で、院近臣でもある人です。


 (彼は)政所の別当もやっていました。院近臣であり、源氏の名門ですから、先ほど(第7話)で言った政所の9人の別当として増員された1人が頼茂でした。

 (源)頼茂からすれば、自分は(北条)義時たちと違って源氏であるのだから、自分が将軍になってもおかしくないだろうと考えていたにもかかわらず、2歳の幼児の三寅を連れてくるのはありえないということで、謀反を企みます。

 その計画が漏れてしまいます。(源頼茂は)御家人ではありますが院近臣でもありますから、在京の武士たちが後鳥羽上皇の許可を得て、追討に向かいました。頼茂は当然抵抗します。しかも「もう勝てない」と分かった時点で、内裏に火を放ってしまうという想像しがたい暴挙に走ります。その結果、大内裏の重要な部分が燃えてしまって、歴代の宝物も焼失します。


●後鳥羽上皇の大きなコンプレックス


坂井 これは後鳥羽上皇にとっては大変大きなショックです。なぜかというと、後鳥羽上皇は平家が三種の神器を西海に持っていってしまっているときに践祚したものですから、天皇の正統性を示す三種の神器なくして位に就いたという負い目を持っている。

 さらに、平家が滅んだときに草薙剣という三種の神器のうちの一つが海の底に沈んでしまいました。その後、後鳥羽上皇は何回も何回も探させますが、ただし、壇ノ浦のあたりは海流が激し...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
歌舞伎はスゴイ(2)市川團十郎の何がスゴイか(後編)
歌舞伎十八番を定めた七代目市川團十郎、一番モテた八代目
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照