源氏将軍断絶と承久の乱
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
和田合戦…侍所別当・和田義盛の挙兵理由と三浦義村の策略
源氏将軍断絶と承久の乱(5)和田合戦
坂井孝一(創価大学文学部人間学科 教授)
和田合戦は、鎌倉幕府初期における最大の武力抗争であった。有力御家人である和田氏と北条氏の間にくすぶっていた対立は、「泉親衡の乱」をきっかけに発火する。北条に恥辱を与えられたとする侍別当の和田義盛は挙兵するが、一族の三浦義村の策謀により敗北を喫し、北条執権体制がほぼ完成する。(全12話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分43秒
収録日:2022年7月13日
追加日:2022年10月9日
≪全文≫

●北条義時へのクーデター計画「泉親衡の乱」


坂井 和田義盛や和田氏を支持している人たちからすると、(北条)義時が逆に邪魔者になります。

―― (北条義時が)政所の、いわゆる公式のところに入ってきたがゆえに、制度上の摩擦といいますか、そういうのが生まれてきてしまったということですか。

坂井 そうですね。制度上も生まれてきますし、(和田)義盛たちからすれば、元々は伊豆の片田舎の武士だった北条氏が鎌倉に乗り込んできて、政権の一番中枢に座っていて、将軍とも一番近いところで政策の立案などをしている。これは相模国の鎌倉に近いところを本拠地にしている三浦一族や侍所別当である和田義盛から見ると、さすがに納得いかないところが出てきていたと思うのです。

 相模国に対しては、先ほど国の守(国司) の話をしましたが、武蔵守や相模守は朝廷から北条氏が任命されています。義時が相模守です。したがって相模国の国務は義時が担うことになります。これも相模国に本拠地を置いている和田義盛や義盛を支持している御家人たちからすると、ちょっと不満であるというかたちになります。

 こういうわけで、義時の側からしても義盛の側からしても対決せざるをえない状況が生まれるようになってきてしまったのです。

 そうこうしているうちに、義時を失脚させようとする「泉親衡の乱 」が起こります。これは事前に露見してしまいました。首謀者をはじめ200名ほどの人が捕まるほど大規模な、反義時のクーデター計画でした。ただそれは、(源)実朝をどうこうするという話ではなく、義時を討つことが目的だったと『吾妻鏡』にすら明記されています。

 その首謀者のなかに和田義盛の甥の(和田)胤長 という者が含まれていました。それから、いろいろ集まったなかには、一緒に名前を連ねられてしまったような人たちもいると思います。そこに義盛の息子が2人入っていたのです。彼らは首謀者ではなかったらしい。そこで、義盛は実朝に直訴して、息子を許してもらいます。


●和田一族と将軍実朝、そして義時の関係


坂井 (源)実朝と(和田)義盛はそれ以前から非常に良好な関係を築いていました。なにしろ義盛は実朝の亡き父である(源)頼朝と同い年なので、むしろ父のように慕うというところもあります。

 さらに義盛の孫に(和田)朝盛 という若者がいますが、彼は実朝の主宰する和...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
『昭和16年夏の敗戦』と『昭和23年冬の暗号』
『昭和16年夏の敗戦』『昭和23年冬の暗号』が映す未来とは
猪瀬直樹
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(1)危機の台湾への密航
「国共内戦」危機の台湾…根本博の密航と涙で迎えた中国人将軍
門田隆将
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(27)昭和の名将・根本博
【10min解説】根本博…戦後の内蒙古での激闘と台湾での義戦
テンミニッツ・アカデミー編集部
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(5)1人の力で歴史を変えた男たち
大義にもとづく「個人の決断と行動」が歴史を動かす…名将の教訓
門田隆将
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(3)祖先崇拝の5つの特徴
夢魔の重圧?…なぜ「バチあたりの人間」が村八分になるのか
賴住光子
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦