源氏将軍断絶と承久の乱
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
政所とは?侍所とは?…鎌倉幕府の組織と北条義時の執権就任
源氏将軍断絶と承久の乱(4)源実朝の将軍親裁と政所、侍所
坂井孝一(創価大学文学部人間学科 教授)
18歳になった将軍・源実朝は従三位に上り将軍家政所を設置する。当初、実権は北条政子・北条義時が握るが、成長して「将軍親裁」を始めた実朝と北条氏との力関係が微妙に変わっていく。義時は「二代執権」となり実朝を支えていくのだが、有力な御家人たちを失脚へと追い込んでいった義時にとって、幕府の中で邪魔になるのは侍所の別当を残すのみとなる。(全12話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分45秒
収録日:2022年7月13日
追加日:2022年10月2日
≪全文≫

●従三位に叙された源実朝、「将軍家政所」を設置


―― (前回のような経緯で)北条時政が失脚すると、いよいよ源実朝の政治が本格化していきます。ちょうどその時期に、実朝が将軍家政所を設置するという話になってきます。源頼朝の時も政所はあって、ここでもまた設置ということになるのですが、そもそも政所はどういうもので、どういう仕事をするところなのでしょうか。

坂井 「政所」は別に幕府特有の機関ではなく、平安時代から上流貴族の家政機関として設置することが許されていた組織です。「政(まつりごと)の所」と書いてありますが、(上流貴族は)命令書を出さなければいけません。あるいは経済的なこと、荘園の管理なども必要です。そういったもろもろの事柄を行うものとして、例えば摂関家政所や、寺院などでも東大寺の政所といったものが作られていたのです。

 幕府も一つの政治機構であり、命令書も出すので、そういった政所のような機関がもともと必要でした。最初は「公文所」と呼ばれていました。要するに「公の文書を出す所」です。それが平安時代には、「位階が三位以上の上流貴族」の場合に「政所」という呼ばれ方で設置することが許されていました。

 頼朝も、文治元(1185)年に従二位という三位以上の官位に就いて、政所設置の許可が下りました。すでに公文所はあったのですが、それが政所という形に変わっていきます。そこで、たくさんの「下文(くだしぶみ)」と呼ばれる命令書が出されます。

 例えば、頼朝自身が将軍になった場合には「将軍家政所」と呼ぶ。要するに将軍家の家政機関としての政所です。そこで、将軍の命令を将軍家政所下文という形で発給していく。源頼家の場合は、将軍になってから約1年で亡くなってしまいますので、将軍家政所下文は残っていません。源実朝の場合は、最初から将軍でしたから、一応政所のようなものはありました。ただ、位階が従三位までいっていないので、「政所」という名前ではない形で文書を発給していました。

 時政が失脚した時、実朝はまだ14歳でした。自分自身で花押(サイン)を書いて命令書を出すということも、ちらほらとは行っていましたが、実際に将軍権力を行使しているのは北条政子や北条義時でした。その後、徐々に成長して18歳になった承元3(1209)年に、朝廷から従三位の位階に叙されます。これによって、正式に将軍家政所を開くこ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(1)弥生時代はいつ始まったのか
なぜ弥生時代の始まりが600年も改まった?定説改訂の背景
藤尾慎一郎
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(6)賴住光子先生ラフカディオ・ハーン論
ラフカディオ・ハーン『怪談』と『神国日本』の深い秘密
テンミニッツ・アカデミー編集部
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
『孫子』を読む:地形篇(1)六地形の戦略を学ぶ
ベトナム戦争でホー・チ・ミンが学んだ『孫子』地形篇とは
田口佳史
印象派の解体と最後の印象派展(5)ポスト印象派の台頭
ゴーガン、ルドン、スーラ、ゴッホ…ポスト印象派の時代へ
安井裕雄
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
変化する日本株式市場とPEファンド(3)米国型への転換を迫られる日本企業
いまアクティビストの動きは?…進む「米国化」の現状
百瀬裕規
新撰組と幕末日本の「真実」(4)江戸の剣術道場が流行した背景
剣術三大流派の道場主も農民出身?…剣術道場の意外な真実
堀口茉純
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
いま夏目漱石の前期三部作を読む(9)反知性主義の時代を生き抜くために
なぜ『門』なのか?反知性主義の時代を生き抜くヒント
與那覇潤