鎌倉殿と北条氏
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
藤原定家『明月記』にも出てくる「和田合戦」とは何か
鎌倉殿と北条氏(8)御家人同士の主導権争いと和田合戦
坂井孝一(創価大学文学部教授/博士(文学))
「承久の乱」という大きな歴史の流れに向かう一方、鎌倉幕府内部では北条氏が御家人の中心を占めるための地域紛争が連続していた。梶原景時、畠山重忠などの滅亡後、鎌倉幕府にとっても北条氏にとっても極めて重要な争いとなったのは「和田合戦」である。都にまで影響を与えたこの乱は藤原定家の『明月記』にも記され、「官軍対賊軍」の構図で描かれている。(全9話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分21秒
収録日:2021年11月8日
追加日:2022年2月27日
≪全文≫

●源頼朝の懐刀だった梶原景時の滅亡


―― (承久の乱から北条政権確立に向かう)大きな流れがある一方、鎌倉幕府の内部でも抗争があります。これまでに源頼家を支えるための13人が選ばれたという話がありましたが、そのメンバーが次々と粛清されていくことになります。

 頼家の最もそばについていた比企能員が、頼家が危篤になったときに立ち上がろうとして倒されてしまう「比企の乱」のお話もありました。これ以外の人たちも、それぞれに倒されていく過程があると思うのですが、これらはどういう理由で起きてくるのでしょうか。

坂井 最初に粛清というか、御家人同士の抗争で殺されたのは梶原景時です。景時は源頼朝の懐刀の役割をずっと担っていました。頼朝は当然、嫡子の頼家のもとで源氏を発展させようとしていましたから、景時は頼朝の遺志を継ぎ、頼家に近い立場を取っていました。ただ、この人は頭はいいのですが、性格が悪かったのか、人望がなさすぎました。それで、北条氏や比企氏など誰かの主導ということではなく、66名におよぶ御家人たちから糾弾されてしまいます。

―― なるほど。

坂井 これは、景時がよほど皆から憎まれていたということですね。

―― そうですね。

坂井 ですから、これは抗争というよりは、頼朝という支えがなくなって景時が自分の立場を失ってしまったことの現れだったと考えられます。

―― (頼朝在世時の他の御家人たちの)恨みが噴出したということですね。

坂井 そうですね。


●単なる地域紛争も北条氏にとってはライバルを打倒する大事な戦い


坂井 景時の滅亡は、この後、鎌倉幕府で起こってくる御家人の間の抗争の中では割と特殊なことです。

 北条氏は景時以外にも、自分たちの権力を得るためにいくつかの御家人たちをつぶしていきます。「族滅」(一族滅亡のこと)という言葉がよく使われます。ただ、一族滅亡といっても、女性や子どもまで殺してしまうわけではありません。主流の者たちだけが殺されてしまうのですが、歴史学では「族滅」といわれます。

 比企の乱とその後の畠山重忠、北条時政自身、さらに和田義盛という4つほどが大きな抗争でした。「血で血を洗う争い」などと激しい言い方がされますが、私にいわせると、これは日本全国の視点でみれば「地域紛争」にすぎません。鎌倉で地域紛争が起こっている時も、全国的にはなんら大きな波...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
戦国合戦の真実(1)兵の動員はこうして行なわれた
戦国時代の兵の動員とは?…無視できない農民の事情
中村彰彦

人気の講義ランキングTOP10
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
「進化」への誤解…本当は何か?(6)木村資生の中立説
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
長谷川眞理子
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
経済と社会の本質を見抜く(4)コンプライアンスとリスクの境界線
コンプライアンスよりも重いレピュテーショナルリスク問題
柳川範之
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(3)DSA化した民主党と今後の展望
DSAの民主党乗っ取り工作…世代交代で大躍進の可能性
東秀敏
健診結果から考える健康管理・新5カ条(2)健診結果はダルマ落としでアプローチ
バラバラ事件!? 検査項目をバラバラに見てはいけない
野口緑