鎌倉殿と北条氏
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
なぜ伊東にいた源頼朝が北条に行くことになったのか
鎌倉殿と北条氏(4)流人の恋と貴種流離譚〈下〉
坂井孝一(創価大学文学部人間学科 教授)
八重と別れた源頼朝は北条政子と結びつくことになるのだが、注目すべきは伊東氏のもとにいた流人・頼朝がなぜ北条氏のところに行くことになったのかということだ。貴種流離譚では悪逆非道の人物として描かれている伊東祐親だが、実際はどうだったのだろうか。頼朝との関係について解説する。(全9話中第4話) ※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:6分38秒
収録日:2021年11月8日
追加日:2022年1月30日
≪全文≫

●北条政子との出会いと源頼朝の思い


―― 八重をめぐる話は非常に興味深いところですが、(気になるのは)もう一人の北条政子のほうです。話をさかのぼりますと、源頼朝はもともと八重と結ばれますが、できた子ども(千鶴丸)が殺されてしまいます。そのような中で、ではどうして今度は政子と結びついていったのかということですが、そこはどういう経緯なのですか。

坂井 頼朝が北条氏のところに入った後、たまたま北条時政が大番役で都に行って留守にします。そうすると、先ほどから再三申し上げていますが、頼朝は貴種なので都の貴族の考え方を当然のごとく受け入れています。だから、女性がいたら声を掛けないといけないと思ったのか(それが頼朝にとっては当たり前なのでしょうが)、それと同時にやはり身内が欲しい、拠りどころとなる味方が欲しいという気持ちが当然あったのでしょう。

 また、頼朝の中には平清盛に対する恨みがありますから、いずれ平家を滅ぼしたいという思いもあったでしょう。実現するかどうかは分からないけれども、その気持ちはずっと持ち続けていたと思います。そのためにも、頼りになる身内は欲しいということになります。そういったさまざまな条件が重なって、政子にすぐ手を出してしまうということになったわけです。


●伊東祐親との対立から北条氏という新たな境地を開いた源頼朝


―― もともと伊東にいた頼朝が北条氏のほうに行くのは、どういう経緯だったのですか。

坂井 (第2回で)やむを得ない事情ではあったものの千鶴丸を殺したと話しましたが、それは伊藤祐親がそれほど激怒していたということで、八重を江間次郎のところに再婚させてしまいました。頼朝からすれば、そのことで祐親に苦難を与えられていたのは確かです。

 貴種流離譚の枠組みからいってもそうですが、悪逆非道な人物のように描かれているのが祐親です。しかし、祐親にも感情はあります。そこまで悪逆ではなかっただろうと思われます。祐親からすれば、許しもなく自分の娘に子どもを産ませた頼朝への(憎悪はあったでしょう)。かわいがって育ててきた美しい末娘を、こともあろうに大した勢力もない江間次郎のところに再婚させるような形でケリをつけなければならないということで、頼朝に対して、父親としての怒りも、武士団の長としての怒りも、当然あったと思われます。

 頼朝の側からしても、自分...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
『三国志』から見た卑弥呼(1)『魏志倭人伝』の邪馬台国
異民族の記述としては異例な『魏志倭人伝』と邪馬台国
渡邉義浩
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
西洋文明の起源から見るグローバル化(1)グローバル化
古典を学び、教養ある人間を目指すことがヨーロッパの理想
納富信留
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(2)どうすれば好循環が生まれるか
「お客様のため」に心が向かうとイノベーションも起きる
田村潤