明治維新とは~幕末を見る新たな史観
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
西郷隆盛の復帰と島津久光の上京準備
明治維新とは~幕末を見る新たな史観(10)久光の上京と西郷
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
尊王攘夷の嵐が吹き荒れる中、薩摩の島津久光上京計画により、京都は大混乱に陥る。公立大学法人首都大学東京理事長の島田晴雄氏によれば、この一連の混乱は幕府と朝廷、雄藩の関係を揺るがすのに十分な出来事であった。この時、西郷隆盛はどんな行動を取ったのか。(全17話中第10話)
時間:8分28秒
収録日:2018年7月18日
追加日:2018年10月31日
≪全文≫

●長州藩の安政改革


 前回までで、この時代における幕府や雄藩の状況が理解できたと思います。ここからが、幕末の動乱の第2弾になるのですが、その特徴は攘夷の嵐です。先ほど長井雅楽という長州藩の重臣が、公武合体と開国方針を結合させた「航海遠略策」を唱えたことをお話ししました。本来、外様大名が幕政に介入することは禁制でしたが、開国路線を進めていた老中・安藤信正と久世広周は、これを受け入れました。幕府の力が弱まっていることも受け入れた要因の一つです。

 この受け入れにより、安藤老中はひどい目に遭います。「坂下門外の変」という事件をご存知でしょうか。「航海遠略策」を受け入れたことにより、安藤は久世と共に開国路線を進めていきますが、攘夷派志士らはこれに反発し、安藤を襲撃したのです。水戸藩の浪士に安藤は襲われるも、堀に逃げて助かるのですが、武士に背中を見せたことを批判され、罷免されました。


●西郷隆盛の復帰と島津久光の上京準備


 この騒ぎから、江戸が相当混乱しており好機だと考え、薩摩の島津久光が1000人の兵を連れて上京を準備します。そのアドバイスをしていたのが大久保利通でした。

 大久保は、久光への働きかけで流刑で奄美大島にいた西郷隆盛を復帰させます。実は島津家がお由羅騒ぎで大騒ぎになった際、大久保の父も処分され、収入も途絶えてしまいました。貧乏な士族であったためで生活ができない中、大久保は西郷と仲が良かったため、西郷の家が支援していたのです。今度は西郷がひどい目に遭っているということで、大久保が西郷を助けました。

 久光と西郷は仲が悪かったため、大久保はうまく久光に取り入る必要がありました。久光は碁がうまかったため、大久保も必死になって碁を勉強して打っているうちに、そっと「西郷を使っていただきたい」と言ったそうです。そうして西郷が復帰できることとなったので、大久保と西郷の間には本当の親友関係が築かれていることが分かります。

 こうした事情で西郷が復帰してくるのですが、久光に今の状況は無謀だと説きます。久光が「兵を挙げて京へ上るぞ」と言ったら、西郷は「そこまで政治音痴ですか。わが殿様は地五郎(何も分からない人という意味)です」と返したのです。久光は烈火のごとく怒るのですが、西郷は最終的には久光が失敗しないよう、京都の状況について情報を収集するため下関に向かいま...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(1)弥生時代はいつ始まったのか
なぜ弥生時代の始まりが600年も改まった?定説改訂の背景
藤尾慎一郎

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
これから必要な人材と人材教育とは?(3)無謬性とジョブローテーション
もうゼネラリストを育てる人事制度では時代に対応できない
柳川範之
プロジェクトマネジメントの基本(10)大脳生理学によるモチベーション理論
論理的?計画的?社交的?冒険的?利き脳による4タイプ
大塚有希子
おもしろき『法華経』の世界(10)未来への智慧と希望
「未来応化=どんな未来も大丈夫」…ブレない臨機応変の力
鎌田東二
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
逆境に対峙する哲学(9)先人の知恵という友
本居宣長も白隠もハイデガーも友となる――大切なのは?
津崎良典
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(5)AIに記号接地は可能か
人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質
今井むつみ
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二