明治維新とは~幕末を見る新たな史観
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
薩摩次第で長州の命運が大きく動く薩長同盟
明治維新とは~幕末を見る新たな史観(14)薩長同盟の成立
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
第一次長州討伐がうやむやに終わったことで、長州は再び息を吹き返した。そんな中、薩長同盟が結ばれる。島田晴雄氏によれば、この同盟は薩摩次第で長州の命運が大きく動くものであった。(全17話中第14話)
時間:10分09秒
収録日:2018年7月18日
追加日:2018年12月14日
≪全文≫

●高杉の功山寺決起と正義派政権


 息を吹き返した急進派は、どのようなことを行ったのでしょうか。元治元年(1864年)12月15日、下関に戻っていた高杉晋作は、長府の功山寺に80人集めて決起をしました。これは地元の豪商や豪農の支援により実現したもので、山県有朋も駆けつけました。山県はこうしたところでうまく立ち回っていたのです。こうして奇兵隊を復活させました。そして、さまざまな人たちの支援を得て、たちまちのうちに大きな軍勢になりました。


●大村益次郎の軍制改革


 この戦略全体のトップに立ったのが大村益次郎です。大村益次郎は村医者の息子なので、武士ではありませんでしたが、緒方洪庵に医術や砲術を学び、非常に賢かったため、長州の兵学教授になりました。彼の一番の大仕事は、長州の軍艦を上海で密売することでした。これにより利益を得て、大量の銃器を手に入れました。

 これにより、長州の兵隊は全員が銃を持つことができました。特にこの時、手に入れたライフル銃が非常に優れていました。ライフル銃とは「装条痕銃」といって、銃の内側に弾がグルグル回るようになっており、距離と角度が断トツです。南北戦争でさえ、後半はずっとライフル銃が使われました。長州はこれを大量に持っていたのです。

 幕府と長州が戦争を行い、イギリスが長州を軍事援助した場合、長州が勝つこともあり得ます。そうなれば、対日貿易はイギリスの独壇場になるでしょう。こうした事態を憂慮したフランス、アメリカ、オランダはイギリスを牽制するため、4カ国の共同覚書を交わします。これにより、厳正中立、絶対不干渉、密貿易禁止が定められました。


●慶喜の尽力による通称条約の勅許がなされる


 他方で幕府は、多額賠償を負わされるなど、とにかく長州にやられたという意識が強く、不信感を抱いていました。そこで、第2次長州征伐を決定します。また、この時にイギリス公使がラザフォード・オールコックからハリー・パークスに代わります。パークスは第二次アヘン戦争の原因となった人物ともいえますから、相当なすご腕です。

 300万ドル賠償金支払い問題は非常に尾を引きました。幕府は6回に分けて分割支払いを要請しましたが、第1回の支払いの後、財政逼迫のため、支払い不能になります。支払い問題は、日英間の最重要外交案件となりました。

 それに対して、イギリスのジョン・ラッセ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
戦国大名の外交、その舞台裏(1)戦国大名という地域国家
戦国時代とは何か?意外と知らない戦国大名と国衆の関係
丸島和洋
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男

人気の講義ランキングTOP10
変化する日本株式市場とPEファンド(1)近年急増するPE投資
プライベート・エクイティ・ファンドとは何か…その手法は?
百瀬裕規
編集部ラジオ2026(5)中島隆博先生「AIと人間」を紹介
【10分解説】中島隆博先生《AI時代と人間の再定義》
テンミニッツ・アカデミー編集部
こどもと学ぶ戦争と平和(6)平和な社会を守るために
チャーチルの名著『第二次世界大戦』に学ぶ真の平和への道
小原雅博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
プロジェクトマネジメントの基本(3)プロジェクトのすすめ方
PDCAサイクルを回すための5つのプロセスとそのすすめ方
大塚有希子
印象派の解体と最後の印象派展(3)観察と探究のドガ
ドガ《エトワール》…新技法を追求した印象派の代表作品
安井裕雄
企業改革の核心は何か(1)組織の危機をいかに克服するか
V字回復のためには社員に「個人の痛み」を迫る覚悟を持て
三枝匡
新撰組と幕末日本の「真実」(1)近藤勇…教養人の素顔と日野宿本陣
近藤勇と日野宿本陣…多摩の豪農たちの財力と教養力の凄さ
堀口茉純
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(2)国家戦略目標の転換
経済発展から「国家の安全」へ…転換された国家戦略目標
垂秀夫