東京大学の新たな挑戦
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
東京大学とパスツール研究所…進む海外との共同研究
東京大学の新たな挑戦(2)グローバルネットワークの構築へ
東京大学の新たなカレッジのコンセプトの1つは、いかにグローバルに開かれたものにするかという点だ。過去のフランスでの経験などから、グローバルに開かれた環境で研究することの重要性を語る藤井氏。今回は人材育成において、いかにグローバルネットワークが大切であるかを解説する。(全5話中2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:11分49秒
収録日:2023年11月20日
追加日:2024年3月6日
カテゴリー:
≪全文≫

●グローバルなネットワークをつくる大切さ


―― Zoomにしてもネット上でつながることは簡単ですけれど、リアルな場所として東京大学が新しいカレッジをつくられるのは面白いですね。しかも標準が英語であると。

藤井 入学も秋に行います。

―― なるほど。すごく楽しみですね。1つ拠点ができたら面白いですよね。

藤井 だいぶ変わってくると思います。ですから、そこだけというよりは全学に向けて行う。いろいろと新しいことを行っていき、全学の学生たちがそこにアクセスできるという形を整えていくことも同時に大事だろうと思います。

―― 若いときに、どういう形であれ、海外の大学に行き、そこで仲間をつくる。ドミトリーで仲間をつくるのは、やはり何よりも得難いことですよね。

藤井 ディグリー(学位)を得なくても、ひと月でもふた月でも、あるいは夏の期間だけ滞在するということでもいいと思います。世界のいろいろなところから来ている仲間と一緒に学び、寮などで一緒に暮らすなどといった環境に没入するということが重要ですね。

―― その仕組みだけつくってあげて、海外に行ったり海外から来てもらったりする人が増えてくると、グローバル化はものすごく速いですよね。友達ができていったら全然違いますよね。

藤井 違いますね。後々そのネットワークは残ります。それが未来に向けて、日本にとっても非常に大事なことだろうし、学生にとっても重要なことだと思います。

―― 日本の場合はおそらく、一番強かった1980年代、1990年代にもっとそれをやっておけばよかった。2000年代の、少なくともリーマン・ショックが起こるまでの強かった時期、お金があった時期にそこに投入しておけば、今の「友達がいない、グローバルに手づるがない」といった状態はずいぶん違っていたわけですよね。

藤井 その通りですね。考え方として、例えば研究でも、「ものすごくいい研究を行っていると誰かが見てくれるはずだ」と思っても、実際はそう簡単ではありません。ものすごくいい研究をやっていても、ネットワークの中で「自分はこういった研究をやっていて、こういう結果が出たのだけれど、どう思う?」「ああ、それはすごいね」などと言って共有していくというプロセスがなければ、研究者同士の、例えば論文の引用にはつながっていかない。この間の(日本の)研究力が弱くなっている、ランキングが上がら...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
西洋哲学史の10人~哲学入門(1)ソクラテス 最初の哲学者
ソクラテス:「フィロソフィア」の意味を問う最初の哲学者
貫成人
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
内側から見たアメリカと日本(5)ヒラリーの無念と日米の半導体問題
大統領選が10年早かったら…全盛期のヒラリーはすごすぎた
島田晴雄
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
人生100年時代の「ライフシフト概論」(3)キャリアの危機〈下〉
40代前半に訪れる「中年の危機」、鍵は「人生の成長戦略」
徳岡晃一郎