第2の人生を明るくする労働市場改革
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
未来が危ない…メガトレンドの変化が生み出す2100年の日本
第2の人生を明るくする労働市場改革(3)3つのメガトレンドの変化
宮本弘曉(一橋大学経済研究所教授)
「雇用は生産の派生需要」という言葉が経済学にはある。これは非常に重要な命題で、人や雇用が先ではなく、生産があって初めて雇用が生まれるという考え方だ。そして、経済の状況が変われば雇用環境も変化を余儀なくされるのである。人口構造の変化、テクノロジーの進歩、グリーン化といった3つの「メガトレンド」の変化に伴うこれからの労働について解説する。(2024年8月3日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分42秒
収録日:2024年8月3日
追加日:2025年2月21日
≪全文≫

●「雇用は生産の派生需要」


―― どの部分が躍動的な労働市場の壁になっていて、何を変えなければいけないかというのは、講義の後半でお話をいただく形にいたしまして、次にお話をいただきますのが、新しい環境がどうなっているのかというところですね。

宮本 はい。先ほど労働市場改革についてお話(第2話で)しましたが、好むと好まざるにかかわらず、日本は労働市場を変えざるを得ない状況にあります。なぜかというと、スライドのグリーンの文字にもある通り、経済学に「雇用は生産の派生需要」という、非常に重要な命題があります。

 私は大学で経済学を教えていますが、1年生が入学して最初に受ける「入門経済学」の授業で、必ずこの言葉を伝えます。「雇用は生産の派生需要」とは、生産があって雇用が生まれるという考え方です。この説明を聞くと、多くの方は「何を言っているの?」と思われるかもしれません。「モノを作るのは人間なのだから、人がいてこそ初めて生産はできるはずだ。人ありきの生産だ」と考えるのが一般的でしょう。

 しかし、経済学では発想が逆で、生産が先なのです。生産がないと雇用は生み出されない。これが経済学の考え方なのです。

 「エッ」と驚かれるかもしれませんが、不況をイメージしていただくと分かりやすいと思います。不況になると、残業時間の削減やリストラが行われることがあります。つまり景気が悪化し、生産が落ち込むと、雇用も減るのです。逆に景気が良くなると、「バイトを増やそう」「従業員に残業をお願いしよう」となり、労働が増えます。このように、生産が動くことで雇用が変化するのです。

 少し広げて考えると、「生産が変わると雇用は変わらざるを得ない」ということになります。つまり、日本の経済の環境が変化すれば、当然ながら雇用のあり方もが変わらざるを得ないのです。


●メガトレンドの変化:人口構造の変化、テクノロジーの進歩、グリーン化


宮本 今の日本経済では、非常に大きな3つの変化が起きています。私はこれを「メガトレンドの変化」と呼んでいますが、ここに挙げている3つです。

 1つ目は人口構造の変化です。先ほど(第2話で)でも図を示しましたが、日本では少子高齢化が進んでいます。

 2つ目はテクノロジーの進歩です。この後、詳しく説明しますが、最近「ChatGPT」...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠