第2の人生を明るくする労働市場改革
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未来が危ない…メガトレンドの変化が生み出す2100年の日本
第2の人生を明るくする労働市場改革(3)3つのメガトレンドの変化
宮本弘曉(一橋大学経済研究所教授)
「雇用は生産の派生需要」という言葉が経済学にはある。これは非常に重要な命題で、人や雇用が先ではなく、生産があって初めて雇用が生まれるという考え方だ。そして、経済の状況が変われば雇用環境も変化を余儀なくされるのである。人口構造の変化、テクノロジーの進歩、グリーン化といった3つの「メガトレンド」の変化に伴うこれからの労働について解説する。(2024年8月3日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分42秒
収録日:2024年8月3日
追加日:2025年2月21日
≪全文≫

●「雇用は生産の派生需要」


―― どの部分が躍動的な労働市場の壁になっていて、何を変えなければいけないかというのは、講義の後半でお話をいただく形にいたしまして、次にお話をいただきますのが、新しい環境がどうなっているのかというところですね。

宮本 はい。先ほど労働市場改革についてお話(第2話で)しましたが、好むと好まざるにかかわらず、日本は労働市場を変えざるを得ない状況にあります。なぜかというと、スライドのグリーンの文字にもある通り、経済学に「雇用は生産の派生需要」という、非常に重要な命題があります。

 私は大学で経済学を教えていますが、1年生が入学して最初に受ける「入門経済学」の授業で、必ずこの言葉を伝えます。「雇用は生産の派生需要」とは、生産があって雇用が生まれるという考え方です。この説明を聞くと、多くの方は「何を言っているの?」と思われるかもしれません。「モノを作るのは人間なのだから、人がいてこそ初めて生産はできるはずだ。人ありきの生産だ」と考えるのが一般的でしょう。

 しかし、経済学では発想が逆で、生産が先なのです。生産がないと雇用は生み出されない。これが経済学の考え方なのです。

 「エッ」と驚かれるかもしれませんが、不況をイメージしていただくと分かりやすいと思います。不況になると、残業時間の削減やリストラが行われることがあります。つまり景気が悪化し、生産が落ち込むと、雇用も減るのです。逆に景気が良くなると、「バイトを増やそう」「従業員に残業をお願いしよう」となり、労働が増えます。このように、生産が動くことで雇用が変化するのです。

 少し広げて考えると、「生産が変わると雇用は変わらざるを得ない」ということになります。つまり、日本の経済の環境が変化すれば、当然ながら雇用のあり方もが変わらざるを得ないのです。


●メガトレンドの変化:人口構造の変化、テクノロジーの進歩、グリーン化


宮本 今の日本経済では、非常に大きな3つの変化が起きています。私はこれを「メガトレンドの変化」と呼んでいますが、ここに挙げている3つです。

 1つ目は人口構造の変化です。先ほど(第2話で)でも図を示しましたが、日本では少子高齢化が進んでいます。

 2つ目はテクノロジーの進歩です。この後、詳しく説明しますが、最近「ChatGPT」...

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