●世界の中で最も深刻な日本の少子高齢化、人口減少問題
日本では、少子化、高齢化は大変深刻な問題で、世界の中で最も深刻な問題です。つまり、少子高齢化と人口減少が進んでいるわけですが、これは日本に特殊の問題かという点について、次に見ていきます。
上のグラフは世界の人口増加率を比較したものです。先進国と開発途上国、それも後発地域とそうでないところを分けていますが、ざっと見てお分かりになりますように、全てのところで人口増加率が下がってきています。日本の場合にはもう2010年ぐらいから減少(マイナス)に向かっていますが、先進地域の場合には、だいたい2050年ぐらいから減少(マイナス)に向かいます。それまでは少し増えています。
さらに開発途上国の方は、まだ人口は増加しています。これは前回言いましたように、人口ピラミッドの右肩の部分の人たち、かつては亡くなっていた人たちがさほど亡くならなくなったことで増えていますが、総人口そのものは少子化が始まっていますから、だんだん減ってきているといえます。
●平均寿命から見ても日本は高齢化率が非常に高い
別な観点から見ますと、このグラフにあるように、男性、女性とも世界の主要国の中では平均寿命がだんだん延びています。長寿化が進んでいるということです。
このグラフは世界の国連加盟国の高齢化率を表したものですが、結果的に全体として高齢化率が上がっています。要するに、人口に占める高齢者の割合が増加していることがお分かりいただけると思います。
このグラフでは、ドイツ、イタリア、日本、韓国という非常に高齢化率が高い4つの国を少し太い線で表していますが、日本の場合には途中から2つに分かれています。上の方の線は国立社会保障・人口問題研究所が推計したもので、推計によれば、高齢化率は2100年ぐらいまでずっと世界で一番高いと予想されています。ただ国連のデータを使いますと、韓国の方がより高くなると推計されています。特に韓国の青い線を見ていただきたいのですが、高齢化率の伸び方、要するにそのカーブが非常に急速です。これは社会的に大変大きな負担、課題を引き起こすと考えられます。
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