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2040年に秋田県の人口が3分の2に…人口減少の理由

人口減少と日本の未来(5)地方消滅の危機

森田朗
一般社団法人 次世代基盤政策研究所(NFI)所長・代表理事
概要・テキスト
数年前に話題になった「地方消滅」は本当に起こるのだろうか。その原因が地方から首都圏への人口移動なら、それを食い止めれば地方の消滅は防げるのではないか。津田塾大学総合政策学部教授の森田朗氏が、都市と地方の人口の関係を検討しながら、都市圏への人口移動の具体的な状況と予想される未来を詳述する。(全7話中第5話)
時間:13:35
収録日:2018/03/29
追加日:2018/08/21
カテゴリー:
≪全文≫

●高齢化率が高まるが、高齢者数が減少するほど人口も減る


 これまでは、わが国全体として人口がどう変わってくるかを見てきました。これからは、日本の国内において都市と地方で人口の変化の違いがいかなるものか。特に数年前に話題になった「地方消滅」が本当に起こるのかどうか。その原因が地方から都市圏、特に首都圏への人口移動ではないか。したがって、これを食い止めれば地方の消滅は防げるのではないか。そのために打たれているさまざまな政策が打たれているわけですが、それらはどういう意味を持っているのか。また、本当にそうした意味があるのか。以上のようなことについて見ていきたいと思います。

 これは2010年から2040年まで人口がどう変化したかを総人口指数で表したものです。上から、紫色の濃い方は人口減少が進んでいて、グリーンの方は人口減少が少ないということです。2040年まで見たときに、人口が増える都道府県はありません。総人口指数の数字で見る限り、一番人口が減るのは秋田県で、30年間で100が64.4になりますから、人口が3分の2以下になってくるということです。

 これは、実際の社会においてさまざまな意味で大きな影響を及ぼします。特に商業などの分野では、それだけ人口、つまりお客さんが減るということですから、お店の閉鎖が進み、それがさらに人口減少を生む、といった意味での社会の縮小、あるいは衰退が、全県かどうかは分かりませんが、かなり広い範囲で起こってくるといえます。その中でも人口が一番減らないのは沖縄県です。少しだけ減ることになりますが、ほぼ現状維持となります。

 次は、総人口ではなく65歳以上人口がどうかを見たものです。2010年、2025年、2040年と3つの時代についてそれぞれグラフで表していますが、ざっと見ていただいて、2010年は赤と黄色が多く、2025年になるとグリーンなどが薄くなり、そして2040年になると濃い紫が増えていきます。これだけ全体として高齢化が進んでくるわけです。これは高齢者の比率(高齢化率)を表しており、4割を超えるところが濃い青紫の部分になります。4割はともかく、多くのところで36パーセント以上超えていることになり、そうでないところは首都圏、近畿圏、中部圏、北九州など一部です。

 秋田県の場合には高齢化率が43.8...
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