プラチナ社会へのビジネス創造
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プラチナ社会へのビジネス創造(4)諸問題の解決のために
科学と技術
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
2050年までに日本が目指すべきは、再生可能エネルギーを自給して地上資源を再活用していくことだ。これは地方経済を活性化させ、少子化問題の解決にもつながる。また、メンタルな問題も、医療に関するビッグデータを活用し、企業と協力することで対処が可能になるだろう。(2018年12月12日JBC日本ビジネス協会朝食会講演「プラチナ社会へのビジネス創造」より、全8話中第4話)
時間:8分45秒
収録日:2018年12月12日
追加日:2019年5月2日
≪全文≫

●再生可能エネルギーで資源自給国家を目指す


 これまで申し上げた通り、先進国ではエネルギー消費は減っていくわけです。まだ途上国では増えているので、相殺されて大体フラットあるいは少し増えたというような状況です。

 そして、すでに再生可能エネルギーが一番安くなりエネルギー消費は減っていく、ということを考えると、日本のモデルは2050年には再生可能エネルギーで自給するということに決まっているのです。2008年から2018年までを見ても、エネルギー消費は落ちています。エネルギー消費はこの後も落ちるでしょうし、人口が減ればさらに減る可能性が高いです。

 そうすると、エネルギーを太陽光、風力、地熱、バイオマス、水力で供給するのは非常に合理的な話です。つまり、21世紀は、鉱山や石炭、石油など地下資源がいらなくなる時代なのです。これは大変な、文明が激変する時代なのです。

 ここでお話ししているのは、日本は加工貿易国家ではなく資源自給国家になれるという話です。プラチナ社会を物質の面からながめると、エネルギー、鉱物資源、食料、木材資源、さらに日本の本当の資産である水を自給するということです。


●少子化は地方の過疎化とも関係がある


 これは日本経済の文脈でいうと、地方に50兆円のビジネスの種が生まれるということです。今、日本で最大の課題を1つだけ挙げるとすれば少子化でしょう。というのも、今の出生率1.4(合計特殊出生率:一人の女性が15歳から49歳の間に産む子供の数の平均値)が続けば日本はなくなってしまうのですから。

 東京は出生率はさらに低く1.2です。とはいえ、東京で子どもを2人育てるというのは大変です。お金持ちのことは分かりませんが、少なくとも普通の家ではそうでしょう。共働きで子どもを1人つくるとなると、さまざまな意味で大変なのです。したがって、1.2というのは非常によく分かる数字です。しかし東京だけ、顕著に人口が増えています。それは結局、地方で生まれた子どもが東京に来て、帰らないケースが多いからです。

 その結果、どうなるのでしょうか。長寿化、あるいは高齢者が増えることよりももっと問題なのは、地方に行くと子どもを産める世代の女性の数が実感として少ないと感じることです。

 産んだ子どもが東京に来て地方に戻...

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