人口減少と日本の未来
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欧州よりもアジアで急速に高齢化が進んでいる
人口減少と日本の未来(4)人口ボーナスと経済成長の関係
森田朗(一般社団法人 次世代基盤政策研究所(NFI)所長・代表理事/東京大学名誉教授)
そもそも、なぜ人口が減少してはいけないのか? 減少しても豊かに暮らすことはできないのだろうか。この素朴な疑問に対して、津田塾大学総合政策学部教授の森田朗氏は「人口ボーナス」と「人口オーナス」という考え方を提示し、人口減少期に経済成長は見込めないと述べる。(全7話中第4話)
時間:12分12秒
収録日:2018年3月29日
追加日:2018年8月14日
≪全文≫

●従属人口指数は戦後に少なくなり、高齢化と共に多くなる


 世界の人口の動きを見てきましたが、人口が減ったとしても経済成長を続けていくことができるならば、私たち日本社会は十分、皆さん幸せに豊かに暮らしていけるのではないか、という考え方もあるかと思います。しかし、そのことについて、果たして「人口ボーナス」という現象がうまくいくのか、またそのように期待通りに成長が実現するかというと、それはかなり難しいのではないかというメッセージが(世界の人口の動きから)示されているのです。それがどうして起こるかを次にお話ししたいと思います。

 スライドに「人口ボーナス」と「人口オーナス」と書きましたが、このグラフは何を表しているかというと、上の線は、右下の式にある「従属人口指数」という指標です。この指標は、分母に15歳から65歳までの生産年齢人口を置き、分子に15歳以下の年少人口と65歳以上の老年人口の和を置いて割った値、つまりその比率を表しています。これはどういうことかといいますと、簡単にいえば、年少人口と老年人口は支えられる世代であって、生産年齢人口の方は支える世代であるということです。したがって、この指数が少ないということは支えられる人が少なく、逆にこの指数が上がってくると支えられる人が増えるわけですから、支えることの負担が社会で大きくなってくるということです。

 これを19世紀の終わりから2100年まで、先ほどと同じくらいのタイムスパンでずっと見ていくと、スライドのような線になります。戦前はスライドにありますように、従属人口指数がだいたい60から70、要するに10人で6人から7人の子どもとお年寄りを支えていました。人口構成がピラミッド型になっていますから、明らかに子どもたちの方が従属人口として多かったということになります。

 それが戦後、年少人口のピークを過ぎてから少子化が始まります。そうしますと、この従属人口指数が急速に下がってきます。なぜかといいますと、少子化で子どもが減ってくるわけですが、他方でお年寄りが増えるわけではありませんから、お年寄りが少ないままで子どもが減り、つまり分子が小さくなったためで、こういう形になっていったということです。

 スライドに谷が2つありますが、最初の谷は何かというと、団塊の世代の人たちが年少人口から生産年...

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