人口減少と日本の未来
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
少子化対策がうまくいってもすぐ人口は増えない
人口減少と日本の未来(2)人口ピラミッドの変化
森田朗(一般社団法人 次世代基盤政策研究所(NFI)所長・代表理事/東京大学名誉教授)
少子化が始まったとしてもすぐに人口が減少するわけではない。また、出生率が上がっても、すぐに人口が増えるわけでもない。一体、人口はどのように増減するのだろうか。津田塾大学総合政策学部教授の森田朗氏が、人口ピラミッドを用いて人口増減のメカニズムを解説する。(全7話中第2話)
時間:7分27秒
収録日:2018年3月29日
追加日:2018年7月31日
≪全文≫

●幼児が多く老人が少ない人口ピラミッドの構成


 前回、日本の人口が減少していると申しましたが、どうして減少し続けるのでしょうか。そして、年齢ごとの人口構成を表した上の図をよく「人口ピラミッド」と呼びますが、なぜピラミッドと呼ぶのでしょうか。その理由を明らかにすることで人口減少のメカニズムがご理解いただけると思います。

 ピラミッドという以上、上がとんがった三角形を想定しますが、それに近いのは1965年の人口の図です。それが2015年、2040年、2065年と、だんだん下がすぼんで、つぼ型の形になっていきます。しかもそれがだんだん細くなっていきます。

 なぜこのようになるかといいますと、これは上の模式図を使って説明した方がお分かりいただけると思いますが、人類の歴史は長い間、人口構成はこういう形状を取っていました。

 ある年に子どもがたくさん生まれたとしても、まだ医学が発達していない、栄養状態が悪い、あるいは病気やけが、その他戦争もあるかもしれませんが、そうしたいろいろな要因で人口が減ることになります。したがって、70歳くらいまで長生きする人は非常に少なかったのです。それまでに毎年、どんどん亡くなっていったということです。

 それが医学の発達、あるいは経済の成長により栄養状態が良くなり、あるいは衛生についての知識を皆さん持つようになってから、人口構成の形が上のような形で変わっていきました。

 生まれたときの人口がさほど減らなくなったということです。幼少期もそうですし、年少人口の時代もそうですし、働き盛りの生産年齢人口のときでも減りません。さすがに、70歳からは、グラフにあるように傾斜しており、亡くなる方はだんだんと増えていきますが、それまではあまり人口が減らないという状態が続きます。

 ここから何が言えるでしょうか。わが国の人口は前回も申し上げましたように、2010年までずっと増えてきました。一方では少子化が始まっていました。それにもかかわらず、なぜ人口は増えてきたのかといいますと、かつては亡くなっていた方が亡くならなかったからで、そのために人口が増えてきたということです。生まれる方と亡くなる方がいて、その差し引きから人口が増えたり減ったりする...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝

人気の講義ランキングTOP10
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に記された「媚態表現」の真相と人心掌握術
上野誠
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
戦国武将の経済学(3)豊臣秀吉の経済政策
豊臣秀吉の驚愕の国内貿易…莫大な財力を生んだ経済政策
小和田哲男
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男