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右肩下がりの時代にこそスタートアップが必要

スタートアップ流イノベーション(2)未来への変革

鎌田富久
TomyK Ltd.代表/株式会社ACCESS共同創業者
情報・テキスト
人口減少とマイナス経済成長が日本社会の未来を襲う。このようなときこそ、スタートアップ流イノベーションが重要となる、とTomyK Ltd.代表で株式会社ACCESS共同創業者の鎌田富久氏は説く。人工知能やロボットといったテクノロジーは、人生100年時代に必要不可欠なのだ。(全5話中第2話)
≪全文≫

●これからは人口減少とマイナス成長の時代


 それでは、2回目は「未来へ向けて大きな変革が必要」というテーマでお話ししたいと思います。



 最初に厚生労働省のグラフをお見せします。こちらは日本における人口の推移を示したグラフで、これを見ていただくと、ちょうど今年(2018年)は明治維新から150周年ですが、明治からほぼ一直線に右肩上がりで人口増加が続いてきたことが分かります。具体的には、日本の人口が約3000万人から1億2000万人へ急増したということです。その間、歴史的には真ん中あたりに戦争がありましたが、総じて右肩上がりです。

 基本経済というのは人口×消費で、人口が増えているときは自然と経済も伸びていくのですが、その間に高度成長時代がありました。

 ところが、2008年を境に人口が減っています。グラフにあるように、厚生労働省の予測でも今後はかなり急激に人口が下がっていくことになっています。

 その意味で、今の若い世代は、今まで経験したことがない右肩下がりの時代に新しいことを起こしていくことになります。われわれの世代や、今の若い世代の人たちにとっての両親や学校の先生は、右肩上がりの時代しか経験していませんので、その人たちの言うことはほぼ当てになりません。自ら新しいことを考えていかなければいけないのが、これからの時代ということになります。



 次のグラフは GDP等の推移を表したものです。「高度成長時代」といわれていましたが、やはり人口が増えている時は右肩上がりで、日本でも7、8パーセントという、少し前の中国の急成長のような時期が過去にあり、非常に伸びていました。本来なら、人口が減ってきている状況でも生産性が向上すれば経済は伸びるのですが、この20年ほど生産性はあまり向上せず、ずっと横ばいが続いているというのが日本の状況です。



 この先どうなるかですが、予想では2パーセントの経済成長という話があったり、数パーセントの成長という計画が出てきたりしてします。ただ、実際には人口が減っていく状況で経済を伸ばすのは、非常に大変なことです。われわれの消費を考えれば、1日3食しか食べませんし、服も急に二倍は買わないでしょう。また、家も他にもう一軒買うということには普通なりませんから、よほど付加価値の高い、今まで購入されることがなかったものを提供しない限り、なかなか消費が増えないというのが現実です。

 ということで、最近はいよいよマイナスの経済成長になるのではないかという予測が出始めたり、どこかでマイナスもあり得るというシナリオも出てきたりしています。



 こちらは人口構成のグラフですが、真ん中の青色の部分がいわゆる「生産年齢人口」という、働く人たちの人口です。15歳から65歳が「生産年齢人口」と呼ばれますが、そこの割合が急激に減っていく一方、その上の高齢者、つまり65歳以上の世代はなかなか減りません。また、少子化で子どもがあまり増えず(ピンクの部分)、出生数は年間百万人を切るような状態です。つまり、新しく生まれる子どもの数は減るということですから、こちら(0~14歳人口)も今後、減っていきます。


●生産年齢人口の減少をテクノロジーでカバーする




 生産年齢人口、つまり働く人が二人で一人を支えるのが今の状況ですが、今でも高齢化社会という状態です。これが2060年ぐらいになりますと、一人で一人を支えることになり、いよいよ大変なことになるということです。



 それをなんとかするには、人工知能やロボットなどを活用して生産性を高めていくことが日本は急務だ、ということがこの数字を見ても明らかで、下がり方がとてつもなく速いということが分かります。生産年齢人口が8000万人から5000万人になっていくということですから、その足りない分をテクノロジーでカバーしていくことが何よりも重要になっていきます。

 そうなると、人工知能やロボットが仕事を奪うという議論もありますが、日本の場合はむしろどんどん奪っていかなければいけません。というよりも、日本は人工知能やロボットを応用するマーケットがとても大きいので、そのような先端技術を最初に試す市場としては非常に良く、逆にいえば、チャンスがとても大きくなってきているということです。

 では人間は何をするかですが、むしろ人工知能やロボットに何をさせるかということを考えるクリエイティブな仕事がたくさん出てきます。そこにフォーカスして、どんどん自動化していき、単純な業務は任せていく...
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