イノベーションがビジネスを生む「創造型需要」
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「豊かになれば生活が良くなる」というモデルを逆転せよ!
イノベーションがビジネスを生む「創造型需要」
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
「今、日本で求められているのはクオリティーだ」と話す株式会社三菱総合研究所理事長・小宮山宏氏。高度成長期の終焉とともにビジネスのモデルが変わり、時代は飽和型需要から創造型需要へと移っている。では今後、日本はどうすればいいのか。生活の質を上げるイノベーションについて、具体的な提案を交えながら小宮山氏が語る。
時間:10分25秒
収録日:2015年2月5日
追加日:2015年3月28日
≪全文≫

●東京と地方が両立する関係つくりがとても重要


小宮山 日本は、そもそも東京だけでは生きていけないのです。今、東京は人口が増えています。ところが、東京は、特殊出生率が1を割っている区域もある。ともかく、人口を維持するためには2にならないと話にならないのです。けれども、東京は1なのに増えている。なぜかというと、地方で生まれた人たちが東京に来るからです。しかし、地方が疲弊したら、その人たちも来なくなるのです。これは、実はアメリカの構造と同じなのです。

 アメリカは基本的に移民国家で、日本も移民を受け入れるようにと言われていますが、それは結構大変な話で、そんな簡単に大規模化はできないし、少しやるとヨーロッパのイスラム問題のようなことも起こり、単純な話ではないのです。ただ、アメリカは、ある程度うまくやっているのかもしれません。けれども今、世界の大国の中で出生率が2を超えている国は、南アフリカとインドくらいしかないのです。一方、現在、アメリカの移民を支えているのは中国とインドです。けれども、そちらの出生率が落ちてくるわけです。ということは、中国の人は、これからあまりアメリカには行かないでしょう。それから、もともと多かった南米系移民ですが、その南米も出生率がどんどん落ちてきています。南米が多子多産でなくなれば、アメリカに移民が来ないことになるのです。

 この構造でみると、東京と地方の関係とアメリカと途上国の関係はとてもよく似ています。アメリカはアメリカだけで生きていくことはできないし、日本は東京圏だけで生きていくことはできないのです。つまり、どうやって東京が世界とのグローバルな競争力を維持していくかということと、どうやって地方が生き生きと活力を保つかということは相補的で、両者が両立しないとできないのです。ですから、この関係をどうつくるかということがとても重要なのです。今は放っておけば、どんどんと東京に人口が集中するのですから、地方を改革する時代なのです。


●高度成長期が終わり、ビジネスのモデルが逆転した


―― そうですよね。秋田県が人口100万人で、東京の秋田県人会の名簿には110万人いるのです。これが、多分実態だと思うのです。

小宮山 「増田ショック」ですよね。増田寛也(元総務大臣)さんの予測によると、秋田は、大潟村以外消滅するそうです。私は、消滅させては...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る
オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史
長谷川眞理子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之

人気の講義ランキングTOP10
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
納富信留
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一