●東京の一極集中は、日本をつぶすことになる
―― 結局、地域を再生するって、少子化にとって一番効くということですね。東京はやっぱり子どもを育てるにも適したところじゃないですよね。
小宮山 今、もう数字で表れています。日本は、平均出生率(合計特殊出生率)が1.4くらいですよね、出生率が2にならないと日本がなくなるわけです。だから最大の課題ですよ。さらに、出生率が1.5~1.7くらいの地方から若い人が東京に来、1人しか子どもを作らない、という状況になる。
だから、東京の一極集中というのは、日本がつぶれる、ということ。今それが進んでいて、地方にいろいろ行ってみれば、実感しますよ。
―― おっしゃる通りですね。
●国際感覚が非常に重要である
小宮山 ただ、逆にいうと、それはチャンスがあるということ。
―― 私は蔵王で観光大使を二十数年やっていますけど、若い人がだんだんいなくなってきて、くるところまできているという感じです。だけど、すごく面白いことに、「ニセコ」モデルのスモールバージョンを持ってこさせていただいたら、外国人がいっぱいきますので、地元の60歳を過ぎた人が、自分で英語のマニュアルを持っていて、「レンタルの受け答え」、「スキーを教えるための受け答え」ができる人がかなり多いエリアになり始めたんです。
小宮山 そうですか。
―― すごく分かりやすくて、海外から来る人は一番新しい板と、新しいウェアを着ている。年齢的にも、30代、40代、50代。それから、滞在期間は1週間~10日間で、お金を持っている、と。日本人で来るのは60歳すぎの人がメインで、10年前~20年前の板やウェアを着ている。しかも、あまりお金は使わない。それを見ていた地元の人たちが、「どういう人たちが自分たちの客なのか」、ということがだんだん分かってきた。
そうすると、スキーの技術よりも、若干の英語ができるということが、稼げるということになりますよね。日本の正月よりも中国の春節の方が、はるかに人が来るし、はるかに儲かる。海外の人たちなら一食あたり5,000円~1万円ほど使ってくれるところが、日本の人は1,000円くらいで終わっちゃう、と。そういう意味では、国際感覚のある人が、海外の人たちと接することによってチャンスが出てきているということですね。
小宮山 確かに国際感覚って非常に重要ですよ。ニセコがオーストラリアから...