科学技術とイノベーションマネジメント
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
イノベーションのためのアイデアはどう生まれるか?
科学技術とイノベーションマネジメント(5)探索的設計
梶川裕矢(東京大学 未来ビジョン研究センター 教授/東京科学大学環境・社会理工学院 特定教授)
計量書誌学の活用例としては、異なる技術の新しい組み合わせ可能性を探る関連性分析や、新しい技術アイデアを事業に結び付ける、「論文-特許関連性分析」を挙げることもできる。東京工業大学環境・社会理工学院教授の梶川裕矢氏は、こうしたデータ分析が、事業内容や開発材料選択といった重大な決定のための指針になると指摘する。(全7話中第5話)
時間:14分24秒
収録日:2018年6月18日
追加日:2018年10月22日
カテゴリー:
≪全文≫

●記述的観察・分析から、探索的設計へ


 ここまで紹介した分析は、「世界の現状はこうです」という記述的なものです。計量書誌学の活用例として2つ目に紹介するのは、より探索的な設計です。まず、先のような記述的な分析を行った上で結果を可視化し、何か全く異なる別のものを持ってきます。そして、それらの間の潜在的な可能性をテキストマイニングによって分析していきます。

 例えば、スライド中のXという分野にはたくさんの技術があり得ます。また横軸Yの分野を取ってみると、同じようにたくさんの技術があります。この両者を組み合わせることによって、何か革新的なアイデアができるのではないかと考えます。そのときに、どこを探索すれば良いのかを、データ分析を用いて支援する、というものです。これは「関連性分析」と呼ばれます。


●関連性分析は、技術同士の組み合わせアイデアの発見につながる


 例えば、次のような分析があります。燃料電池とアンモニア合成の関連を考えて見ましょう。燃料電池を分析すると、「こういう触媒があります」という考察が出てきます。そしてこれを、アンモニア合成と組み合わせます。アンモニア合成では、「ハーバーボッシュ法」という高校の教科書にも載っている高温高圧のプロセスが、現在もなお産業上で用いられています。

 しかしここで、そうした高温高圧のエネルギー多消費型のプロセスではなく、燃料電池で開発された触媒を使うと、常温常圧でアンモニアを合成できるのではないか、というアイデアが生まれます。関連性分析は、このようなアイデアの発見につながるということです。

 他の事例としては、自転車と航空機の間での関連性分析があります。自動車の特許を一方の軸に持ってきます。そして分析を加えると、自動車がどのような技術で構成されているかが明らかになります。もう一方の軸に、航空機を持ってきます。この掛け算をすることによって、自動車で用いられている技術を航空機業界に横展開できるのではないかと考えることができます。また、航空機で開発されたコックピットシステムを自動運転におけるドライバーアシストに使えるのではないか、と考えることもできます。関連性分析はこのような知見につながるのです。

 また、「化粧品×脳科学」という事...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(1)目的と潜水艦史
海底に突き刺さる旧日本海軍の潜水艦「伊58」を特定!
浦環

人気の講義ランキングTOP10
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(6)分別からの超越
ネガティブ・ケイパビリティとは?信じて待つことの意味
津崎良典
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
MAGA内戦、DSAの台頭…過激化が完了した米国の現在地
東秀敏
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
編集部ラジオ2025(33)2025年を振り返る
2025年のテンミニッツ・アカデミーを振り返る
テンミニッツ・アカデミー編集部
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ