科学技術とイノベーションマネジメント
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
論文の数に見る日本の研究開発の国際的な遅れ
科学技術とイノベーションマネジメント(4)研究開発動向
梶川裕矢(東京大学 未来ビジョン研究センター 教授/東京科学大学環境・社会理工学院 特定教授)
東京工業大学環境・社会理工学院教授の梶川裕矢氏が、イノベーションを生み出すためのデータ分析手法である「計量書誌学」の活用例を解説する。このデータ分析によって、世界中で行われている科学技術の開発動向や、今後重要な技術に結び付いていく研究を発見する手がかりが得られるという。(全7話中第4話)
時間:9分57秒
収録日:2018年6月18日
追加日:2018年10月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●引用ネットワーク分析により、研究分野の全体像を把握できる


 1点目の研究開発動向の把握から、順番に説明します。ここで主に用いる手法は引用ネットワーク分析です。この図の場合、丸が個々の論文や特許を表し、矢印が引用関係を示しています。この論文や特許の持つ引用関係を線でつなぎ、同じような引用関係を持つ論文や特許群をクラスタリングという方法で1つにまとめます。

そして同じクラスタに属する引用関係に同じ色を付けて描画すると、引用関係が可視化され、研究分野の全体像の見取り図を作ることができます。


●自身の方向性にとらわれず、虚心坦懐にデータを見よ


 少し古い例ですが、これは2010年から2014年までの5年間における、世界のコンピューターサイエンスのトップ10パーセント論文を示したものです。「トップ10パーセント」とは、論文が何回他の研究者に引用されたかについての上位10パーセントです。全体で約24万論文あり、中にはコンピューターサイエンスのメインストリームとはつながっていない研究もありますので、それらを除外して分析を行いました。

 このオレンジや黄色、青などカラフルな模様からなる絵を見ると、色分けされたテーマごとに、コンピューターサイエンスといってもさまざまな領域があることが分かります。例えば、オレンジは、IoTやワイヤレスネットワークを意味しており、アンテナ(antenna)やネットワーク(network)、スマートグリッド(smart grid)がキーワードになっています。主な研究をしている国は、アメリカや中国、カナダです。

 2番目に大きな領域は、青の部分のアナリティクス(Analytics)で、人工知能の研究です。3番目はクラウド・コンピューティング(Cloud Computing)で、それ以下では可視化(Visualization)やイメージング(Imaging)、モバイル(Mobile)、データマイニング(Data Mining)など、さまざまなテーマで展開されています。

 この分析は、現在では非常に短時間で行うことができます。そのため、コンピューターサイエンスについて全く何も知らない状態であっても、極めて効率的に分野の全体像を理解できます。

 これは、自分たちが研究開発を進めていく際のエビデンスとして活用することができます。例えば、ある会社がこれからAIや...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
心と感情の進化(1)そもそも「心と感情」とは何なのか
「心と感情」とは何か、行動生態学から考える大事な問題
長谷川眞理子
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
巨大地震予知の現在地と私たちにできること(1)地震予知研究と前兆すべり
地震予知に挑む!確かな前兆現象を捉える画期的手法とは
梅野健
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(3)水戸藩の問題と安政の大獄
安政の大獄は失政!?…井伊直弼は何を見誤ったのか
山内昌之
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(6)不在因果の問題
不作為(◯◯しなかったこと)の原因は無限に拡散する
一ノ瀬正樹
ギリシア悲劇への誘い(7)ギリシア悲劇を論じた歴史
アリストテレス、ニーチェ…哲学者によるギリシア悲劇批評
納富信留
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典