AIがもたらす社会・企業変革
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
人工知能(AI)を普及させるための課題とは何か?
AIがもたらす社会・企業変革(4)普及に向けた課題と期待
東京大学第28代総長で三菱総合研究所理事長・小宮山宏氏、東京大学大学院工学系研究科特任准教授・松尾豊氏、パナソニック先端研究本部知能化モビリティプロジェクト室総括部長・岩崎正宏氏による鼎談の最後のテーマは、AI普及に向けた課題だ。まずAI開発をめぐる倫理を定めていくことが提起された。またコストや個人情報保護の問題も指摘されている。必要なのは、これらの課題を乗り越える取り組みを、産業界全体で進めることだ。(2016年11月30日開催三菱総研フォーラム2016鼎談「AIがもたらす社会・企業変革」より、全4話中第4話)
時間:11分05秒
収録日:2016年11月30日
追加日:2017年3月8日
≪全文≫

●AI研究の倫理に関する議論が必要だ


司会:これまでの議論の中で非常に感じるのは、とにかくチャレンジしましょうということです。今はそういう時期であり、そのために必要な視点が二つあります。一つは、とにかくやろう、つべこべ言わずにやるというものです。もう一つは、社会的なインパクトが非常に大きいということで、あえて難しいところに挑戦して、さまざまな課題を逆にあぶり出そうというものです。

 幅広いアプローチがあると思いますが、特にAIは、社会的なインパクトが大きい。AIを社会に普及させるために、こういうところをもう少し考える必要があるなど、課題があればこの場でお聞きしたいと思います。小宮山先生、いかがでしょうか。

小宮山:AI倫理の問題が、一番気になります。この問題にどう取り組むか。本当は国が決めて、WTO(世界貿易機関)のような国際的な場所できちんと議論することにいずれはなると思います。しかし、AIのスピード感を考えると、そんなやり方では間に合わないと思います。例えば、マイクロソフトは、自ら倫理規定のような開発目標、開発の指針をつくりました。人間を置換するのではなく、人間を補強するために開発するといったものです。それをさらに具体化する。最も典型的なものは、私たちの設計と違った動きをAIが始めたら、電源を切ってしまうというものです。

 さらに彼らが「transparency(透明性)」と言っているように、分からないようにはしないことも大切です。「なぜそう動くのか」が他の人にも分かるようにします。ただここは、ディープラーニングそのものの原理と矛盾していて難しいところなのでしょうが、それを何とかするという指針を出しています。

 ああいうグローバライズした企業は日本にもたくさんありますが、そういう企業は指針を出すようなことでは早く動けます。そうやっていろいろな企業が出したものがデファクトになっていき、さらに松尾先生が委員長をされている倫理委員会のような学会と連携して、基準をつくっていくことです。アイザック・アシモフ先生のロボット(工学)三原則のようなものをきちんとつくって前に進むべきではないか。これが気になる点であり、早くやった方がいいと思う点です。


●AI倫理の議論には、人文科学との連携も不可欠だ


司会:では、倫理委員会の委員長でいらっしゃる松尾先生は、この点について、現在の検討状...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹

人気の講義ランキングTOP10
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
こどもと学ぶ戦争と平和(3)「小さな外交官」と少年兵の問題
外国が攻めてきたらどうすればいい?戦争と少年兵の問題
小原雅博
AI時代と人間の再定義(4)自分と出会うチャンス
プロセスこそが貴重…AIにない「自分と出会うチャンス」
中島隆博
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
クーデターの条件~台湾を事例に考える(6)クーデターは「ラストリゾート」か
中国でクーデターは起こるのか?その可能性と時期を問う
上杉勇司
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝