AIがもたらす社会・企業変革
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
人工知能によって10年後の社会はどうなるのか?
AIがもたらす社会・企業変革(2)AIが変える10年後の社会
東京大学第28代総長で三菱総合研究所理事長・小宮山宏氏、東京大学大学院工学系研究科特任准教授・松尾豊氏、パナソニック先端研究本部知能化モビリティプロジェクト室総括部長・岩崎正宏氏の3氏による鼎談一つ目のテーマは、AIがもたらす10年後の社会だ。3氏の議論から見えてくるポイントは、早急にAIの開発研究とビジネスが循環する投資の仕組みを作る必要性だ。欧米とは異なる成長のシナリオを描くことが、10年後の姿を決するだろう。(2016年11月30日開催三菱総研フォーラム2016鼎談「AIがもたらす社会・企業変革」より、全4話中第2話)
時間:12分44秒
収録日:2016年11月30日
追加日:2017年3月6日
≪全文≫

●AIに期待してはいけないこととは何か


司会:それでは、鼎談を始めます。今日はおよそ30分という限られた時間ですので、テーマを二つに絞りました。最初のテーマは、「AIによって10年後の社会は、どうなっているのか」です。この点について語り合っていただきたいと思います。まずは小宮山理事長に、口火を切っていただきたいと思います。

小宮山:松尾先生が、今日の講演の最初(『AIで社会・ビジネスはどう変わる?』シリーズ参照)で、「過剰な期待は禁物である。AIにはできることとできないことがある」と言いました。松尾さんの口からネガティブな話が出たのを、私は初めて聞きました。

 今日の話の中(松尾氏の講演)で私が一番好きなのは、AIによって「目」のついた機械ができたというところです。これは、カンブリア期における生物の爆発的な進化に匹敵します。脳に目がついたことで脳が進化し、体も大きくなるなどさまざまに進化していき、いろいろな種が生まれたということだと思います。AIの場合、目と脳をつなげたのがディープラーニングであり、体に相当する部分に、日本が得意とする機械やロボット、あるいは自動車といったものをつけていきます。松尾先生は講演の最後の方で、できる例をいろいろと挙げました。介護もできるし、防犯もできるという話がありました。では、できないこととは何か、また過剰な期待とは何なのか。この点を少し伺ってみたいと思います。

松尾:基本的に機械でも「認識」ができるようになるので、人間が見て分かるものは、機械にも分かるようになるはずです。ただその認識でも、できることとできないことがあると思っています。

 例えばプロ野球で、ある場面を見て、ヒット性の当たりをショートが横っ飛びで取ってアウトにしたとします。これがファインプレーであることは、人間ならば分かりますが、これを機械にファインプレーだと認識させるには、前提として「通常ならばセーフになります」ということを予測できていないといけません。これは、高次の認知を必要とするような認識タスクになるのです。こういうものは難しいと思います。

 つまり、画像を見て、その中の情報だけで「良い・悪い」を判断できるものはいいのですが、その画像の外にあるいろいろな情報と組み合わせて判断しないといけないようなものは難しいと思います。

 そのため、比較的シンプルなもの、例...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(1)目的と潜水艦史
海底に突き刺さる旧日本海軍の潜水艦「伊58」を特定!
浦環
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之

人気の講義ランキングTOP10
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(2)MAGAの矛盾と内戦の現状
MAGA内戦勃発…なぜトランプがMAGAの敵になってしまうのか
東秀敏
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(2)プロテスタントと「予定説」
カトリックとプロテスタントの違いは?「救済予定説」とは?
橋爪大三郎
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理