第2の人生を明るくする労働市場改革
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本人全員ではない…日本的雇用慣行のターゲットは誰?
第2の人生を明るくする労働市場改革(2)前提が崩れた日本的雇用慣行
宮本弘曉(一橋大学経済研究所教授)
終身雇用、年功序列型賃金といった日本的雇用慣行は、高度経済成長期の日本を支える推進力となった。しかし、経済の停滞や若年層の減少といった状況の現代日本とはミスマッチを起こしている。前提が崩れた中で制度だけが残存する現状について確認する。(2024年8月3日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分54秒
収録日:2024年8月3日
追加日:2025年2月14日
≪全文≫

●かつては優れていた日本的な雇用慣行


―― このような問題の背景として、日本的な雇用慣行があるだろうというところですね。

宮本 よくいわれる話かと思いますが、日本的雇用慣行です。3つ特徴があるといわれています。終身雇用、年功賃金、年齢とともにお給料が上がっていくという仕組みです。そして、労働組合が企業別になっていることです。これは日本人からすると普通なのですが、外国では企業ごとに労働組合はありません。産業ごとや業種ごとに労働組合があります。いずれにしても、この3つが日本的雇用慣行の特徴といわれています。

 日本的雇用慣行が悪いものかというと、そうではありません。かつては、日本の高度成長期を支えた実に素晴らしいものだったため、外国からも「日本の秘密は何なのか」「日本はなぜこんなに成長したのか」と、多くの研究者や企業の経営者が訪れて研究の対象としたのです。終身雇用、年功賃金、そして企業別労働組合という雇用慣行が、日本の高度成長を支えた素晴らしいものだと評価されていました。だから、かつては本当に優れたものだったのです。一概に悪いものではないのです。

 ただ、時代遅れになってしまったのです。なぜ時代遅れになったのかが問題です。日本的雇用慣行、例えば終身雇用とか年功賃金は、戦前には存在しませんでした。これらは戦後にできたのです。「日本的雇用慣行は日本の文化だ」という方もいらっしゃいますが、それは誤解です。

 いつできたのかというと、だいたい1960年代、1970年代に日本的雇用慣行は生まれたといわれています。生まれて、それが普及して定着したのです。


●日本的雇用慣行が経済成長とマッチしたからくり


宮本 ではなぜ、日本的雇用慣行は生まれたのかというと、2つの条件があったのです。1つ目は、日本が持続的で高い経済成長を遂げていたことです。

 もう1つは人口構造です。若い人が多かったのです。では、経済が成長して、人口構造として若い(世代が多い)と、なぜこのような日本的雇用慣行が生まれるかというと、これには理由があります。経済が成長していますから、企業はモノを作れば売れる、サービスを提供すれば儲かるという状況です。「どんどん作ろう」、「企業を拡大しよう」というのが、1960年代、1970年代の日本でした。

 そうなると、人手が必要です...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
ハーディングとトランプ~100年前の米大統領選を読む(1)米国第一主義の台頭
1920年のアメリカファースト…ハーディング大統領の勝利
東秀敏
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(4)アレクサンドル・ネフスキーの英雄化
ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
上月豊久
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆