第2の人生を明るくする労働市場改革
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
長寿雇用戦略…いくつになっても働きたい人が働ける社会へ
第2の人生を明るくする労働市場改革(6)長寿雇用戦略と健全な危機感
宮本弘曉(一橋大学経済研究所教授)
労働市場を流動化させることが急務である日本だが、企業や個人はどのように対応していくべきなのだろうか。労働者の生産性に応じた給与システムの導入、スキルアップによる能力向上が求められる中、政策としては非常に重要なのは「長寿雇用戦略」である。日本の高齢者は就業意欲が高く、そこにまだまだ伸びしろがあるからだ。そのためにも「健全な危機感」を持った上で労働市場改革を進めていく、今まさにその時期に来ている。(全7話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分29秒
収録日:2024年8月3日
追加日:2025年3月14日
≪全文≫

●生産性に応じた給与システムの導入を


―― それで、次に流動的な労働市場で求められるものというところですね。

宮本 労働市場が流動的になると、それに合わせて変えていくべき点がいくつかあります。

 まず、企業側が変えなければならない点があります。それは人材マネジメントのやり方です。具体的には給料体系です。従来の年功序列型のものでは、流動的な労働市場には適応できません。

 では、どうすればいいのか。かつてよくいわれた「成果主義」ではありませんが、労働者の生産性に応じて適切な評価を行い、その評価に見合った給与を支払うというシステムに変えていく必要があります。これが流動的な労働市場では求められます。

 これは従来の考え方とは大きく異なります。先ほど、年輩の方になると評価されないという話をしましたけれど、そうではありません。年輩の方も評価するのです。評価して、良ければちゃんと高いお給料を支払うという形にしましょう、ということです。

 能力のある方に高いお給料を払っても、企業は何の損もしません。むしろそういった方にはいてほしいわけです。年齢や性別は関係ないのです。優秀であれば、若い方でも年配の人でも高い給料を支払う。そうでなければ、それなりの評価となる。こうした仕組みに変えていくことが、流動的な労働市場で求められる改革なのです。


●自らでスキルアップをしていく必要性


宮本 もう1つ重要なのは労働者の視点です。労働者自身がスキルアップをしなくてはいけないのです。

 労働市場が流動的になると、新しいチャンスが増えます。より良い企業に転職したい、別の業界に挑戦したいと思ったときに、選択肢が広がるのです。しかし、何もせずにチャンスをつかめるわけではありません。やはり、スキルアップが不可欠になります。ということで、流動的な労働市場では個人がスキルアップをする、自己啓発をしましょうという話になるわけです。

 これまで日本では人的投資をする主体は企業でした。企業が労働者に対して研修やセミナーを提供することで、スキル向上を支援してきたのです。ところが、労働市場が流動的になってきますと、企業側がトレーニングを提供するのではなく、労働者が自らスキルアップに取り組む必要がでてきます。つまり、皆さんのように、まさに自己投資が必...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(31)鶴見太郎先生の「公開収録」のご案内
【公開収録のご案内】鶴見太郎先生:ユダヤ人と世界史…その歴史の教訓とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
「ホメロス叙事詩」を読むために(4)ホメロス問題と詩の魅力
ホメロスの叙事詩は1人が書いた?…ホメロス問題の真相
納富信留
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎