第2の人生を明るくする労働市場改革
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勤続年数が長いほど生産性は低い…労働市場の流動化が急務
第2の人生を明るくする労働市場改革(4)求められる流動的な労働市場
宮本弘曉(一橋大学経済研究所教授)
テクノロジーの進歩やグリーン化に伴う労働環境の変化への対応は、若年層からシニア層まで全ての働き手が向き合わなければならない。重要なのは、日本の労働市場がもっと流動化することだ。つまり、「流動的な労働市場」が生産性の向上につなげるということだ。なぜなのか。その詳細について、「適材適所」と「新陳代謝」をキーワードとして挙げながら解説する。(2024年8月3日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分06秒
収録日:2024年8月3日
追加日:2025年2月28日
≪全文≫

●65歳で定年退職することが根本的な問題


―― ということで、そのような時代にどう生きていくかというところですね。

宮本 これは冒頭のグラフに戻る話ですが、最初に(第1話で)お話した通り、長寿化が進んでいます。人生100年時代がやってきました。今までの典型的な日本人のライフスタイルでは、60歳または65歳で定年退職するのが、一般的でした。

 ところがどうでしょう。90歳、あるいは100歳まで生きるとなると、65歳で退職してから100歳まで35年間、90歳までも25年間あります。25年間というのは、大学を卒業する年齢が22(歳)ですから、それよりも長いわけです。

 では、その期間をどう過ごすのか。これは人それぞれですが、数年前に、金融庁の審議会が出した報告書によると、夫婦2人で贅沢な暮らしをするわけではなく、65歳で退職して、90歳まで生きたと仮定した場合、年金以外に追加で2000万円が必要だとされています。つまり2000万円の貯蓄がないと一般的な生活ができないということです。

 しかし、誰もが2000万円を用意できるわけではありません。ここで問題になるのが、65歳が定年退職になっていることです。人生100年(時代)となり、健康寿命も延びているのですから、働きたい人は今後もっと働いてもいいわけです。

 これは何も年輩の方だけの話ではありません。むしろ若い方こそ、考える課題です。今の大学生や子どもたちは、今後、職業人生が長くなる時代に生きることになります。

 ここで重要なのは、職業人生が長くなると、先ほど(第3話で)話した3つの変化、特にテクノロジーの進歩や地球温暖化に伴う変化に直面する期間が長くなるということです。つまり、これらの変化に適応しながら生きていくことが、これからの人生の課題になってくるのです。長寿化は「個人がどう生きるのか」を全ての世代に突きつける、大きな話になっているのです。


●労働市場の流動化が急務


宮本 今お話ししたように、技術進歩やグリーン化といった変化に直面をすることになります。ですから、こうした変化に対応できるように労働市場がなってなくてはいけないという話になります。

 それは何かというと、先ほど(第1話で)何人かの方からも話題に上がった点ですが、労働市場を流動化させることです...

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