大学教育の未来~対話・デザイン・多様性
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深海のタイタニックが契機!?無人探査機の研究開発への道
大学教育の未来~対話・デザイン・多様性(2)無人探査機の技術進歩
藤井輝夫(東京大学第31代総長)
東京大学に入学し、幼少時から興味を持っていた深海の無人探査機の研究開発に着手することになった当時の藤井輝夫氏。そこには、師となる浦環氏との出会いや、タイタニック号の発見といったセンセーショナルな出来事との巡り合わせがあった。今回は藤井氏の研究歴を振り返りながら、無人探査機の技術進歩について学ぶ。(全6話中第2話)
時間:9分48秒
収録日:2024年6月26日
追加日:2024年12月9日
≪全文≫

●PCR検査にも用いられている応用マイクロ流体システム


 さて、ここまでが経営力に関わるトピックです。ここから少しだけ、私自身の興味関心の話をさせていただいてよろしいでしょうか。

 私自身、もともとは工学部の船舶工学という、造船学をやる学科におりました。ここにありますような、深海の環境をいろいろ調べるロボットの研究をずっとしておりました。その後、理化学研究所に勤めたり、あとは岡部徹先生(東京大学生産技術研究所教授)と一緒で、生産技術研究所でずっと研究を続けてきたというところです。

 直近は、応用マイクロ流体システムといいまして、デバイス技術なのですけれど、いわゆる電子デバイスではなくて、液体を扱うデバイスです。何をするのかというと、例えば最近、皆さんにも耳になじみがよくなったと思いますが、例えばPCR(検査:Polymerase Chain Reactionの略で「ポリメラーゼ連鎖反応」のこと。ウイルスのDNAを増幅させて検出する検査)です。PCRをして、病気の診断ができますとか、あるいはどういう種類の微生物がいるかが分かりますとか、そういうセンサーに使います。細胞の中で培養して、お薬の効き目を調べるということに使える技術をやっておりました。

 このデバイス技術はだいぶあとになってから、ポスドク以降、理化学研究所で始まり、生産技術研究所で大きく花開いた研究です。


●無人探査機を活用した深海調査


 その中の1つとして、無人探査機にデバイスを搭載して、深海を調べに行くというようなこともずいぶんやっております。

 沖縄トラフという、沖縄の北側のだいたい水深1400メートルぐらいですが、2000メートルぐらいの海底から山が立ち上がっていって、この山の上から300度ぐらいのお湯が噴いているという環境なのですけれど、(そういう深海から噴いている熱水系を中心にした生態系ができて、いるということです。)こういう環境をいろいろ調べるということをやっております。

 なぜこれがやりたくなったのかということなのですけれど、もともと子どもの頃にこういうものに非常に興味がありました。これはマリアナで最初にいちばん深いところに潜った、1960年にバチスカーフ・トリエステという(潜水艇で)、ジャック...

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