●実物でこそ体感できる「動くガンダム」の迫力
市川 よろしくお願いします。市川紗椰と申します。
橋本 橋本でございます。よろしくお願いします。
市川 まず今回、軸となるテーマの「動くガンダム」なのですが、ご覧になったことのない方もいるとのことなので、映像で1度見るのがいいでしょうか。
橋本 そうですね。バンダイさんからビデオクリップいただきましたので、見ていただこうと思います。
市川 はい。
<ビデオ 「本物のガンダム」>
ナレーション:横浜で会える、本物のガンダム。全高18メートルのガンダムが繊細に動く。その迫力をリアルに体験せよ。
<ビデオ 横浜ガンダム紹介>
橋本 ありがとうございます。こんな感じのもので、実はもっといろいろな動きの映像もないわけではないのだけれど、これで見てもしょうがない。
市川 たしかに(笑)。
橋本 実物を見ないとダメだということです。
●「動くガンダム」開発のきっかけ
市川 そうですね。本当に大迫力のもので、私も見に行ったときは思っていた以上に動いていて、本当に驚きだったのですが、先生がそもそも動くガンダムに関わることになった経緯から伺ってもいいですか。
橋本 はい。だいぶ前に、お台場にガンダムの立像ができました。
市川 ええ。
橋本 それで半年ぐらいの間に400万人見に来たのだということらしいのです。
市川 私も行きましたよ。
橋本 あれはほとんど動かないのですけれど、それでこの“ガンダムのボス”の宮河(恭夫)さん(バンダイナムコエンターテインメント社長)という方がいらして、この次はどうしようかということで、「動かそう」と言われたのだそうです。
ただ、18メートルの高さがありますから、普通のロボット技術でこれを歩かせるというのはまず不可能なので、普通は聞いたらやめておいたほうがいいということになるのだろうと思うのですけれど、実はその関係者の中に私の研究室の卒業生がいて、「こういう話にあいつなら乗るのではないか」ということで、話をしに行ったらどうかということを言ったらしいのです。
私のところに、こういうことを考えているのだけれど、どうだろうかということがあって、私は、ロボット工学的に、実際に...