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大学教育の未来~対話・デザイン・多様性
東京大学創立150周年のスローガン「響存」への思いとは
大学教育の未来~対話・デザイン・多様性(6)デザイン視点と「響存」
哲学と生き方
藤井輝夫(東京大学 総長)
研究や事業において、さまざまな人や分野が多様に連携するこれからの時代、大学教育に必要なのは「デザイン」の視点だ。それを踏まえ、東京大学が掲げるのが「College of Design」という構想である。日本の近代化とともに迎えた東京大学の創立150周年のスローガンである「響存」に込められた思いについてと合わせて解説する。(全6話中第6話)
時間:9分04秒
収録日:2024年6月26日
追加日:2025年1月6日
収録日:2024年6月26日
追加日:2025年1月6日
≪全文≫
●「デザイン」の視点をベースにした「College of Design」
そういうことも含めて東京大学としても、もう少し海外から人に来てもらうということで考えたのが、この「College of Design」ということになります。
2027年の秋にオープンしたいのですが、まず「College of Design」の「デザイン」というのは、非常に広い意味でのデザインです。いわゆる、未来の社会をデザインして、つくっていけるようなリーダーを教育しよう、生み出していこうということです。
ですので、例えば法律をつくるのもデザインですし、社会システムをつくるのもデザインですし、公共サービスをどのようにつくっていくかもデザインです。世の中、社会をつくっていくには、デザインというものの見方が非常に重要だということです。もちろん、ビジネスのデザインもあるし、プロダクトのデザインもあるし、いろいろなもののデザインもあると思いますが、そういう意味で、デザインという考え方をベースに据えた1つのカレッジをつくろうということです。
●デザイン思考に欠かせない学際性とユーザー目線
2つ重要なことがあります。1つは、今そういった社会のデザインとか、新しいサービスを考える、あるいは新しい課題解決を考えようとしたときには、工学や理学、物理、化学など単独の学問では、ほとんど解決はできないわけです。これはすべからく、例えば社会科学的な視点も必要ですし、歴史的な背景も見なければいけないかもしれないし、当然、テクノロジーも理解しなければいけないということになっていきます。そうすると、いろいろな専門から自分がやりたいと思うプロジェクトなり課題に合わせて、学生それぞれが必要な知識を身につけていく。それを全体としてコーディネートして自分のものにしてまとめていくということができるような環境をつくろうというのが1点です。ですから、分野を横断していろいろなことが学べます。
それからもう1つは、デザインなのです。そういうことでいろいろな構想をするときに、これも私自身はよくいろいろなところでいうのですが21世紀はいろいろな物事が、いわゆる大企業が素晴らしい製品を大量生産するので、それをみんなが買えばいいという世界ではないと思うわけです。むしろ、1人ひとり、自分がどういうものが欲しいかという、――サプライサイドの都合...
●「デザイン」の視点をベースにした「College of Design」
そういうことも含めて東京大学としても、もう少し海外から人に来てもらうということで考えたのが、この「College of Design」ということになります。
2027年の秋にオープンしたいのですが、まず「College of Design」の「デザイン」というのは、非常に広い意味でのデザインです。いわゆる、未来の社会をデザインして、つくっていけるようなリーダーを教育しよう、生み出していこうということです。
ですので、例えば法律をつくるのもデザインですし、社会システムをつくるのもデザインですし、公共サービスをどのようにつくっていくかもデザインです。世の中、社会をつくっていくには、デザインというものの見方が非常に重要だということです。もちろん、ビジネスのデザインもあるし、プロダクトのデザインもあるし、いろいろなもののデザインもあると思いますが、そういう意味で、デザインという考え方をベースに据えた1つのカレッジをつくろうということです。
●デザイン思考に欠かせない学際性とユーザー目線
2つ重要なことがあります。1つは、今そういった社会のデザインとか、新しいサービスを考える、あるいは新しい課題解決を考えようとしたときには、工学や理学、物理、化学など単独の学問では、ほとんど解決はできないわけです。これはすべからく、例えば社会科学的な視点も必要ですし、歴史的な背景も見なければいけないかもしれないし、当然、テクノロジーも理解しなければいけないということになっていきます。そうすると、いろいろな専門から自分がやりたいと思うプロジェクトなり課題に合わせて、学生それぞれが必要な知識を身につけていく。それを全体としてコーディネートして自分のものにしてまとめていくということができるような環境をつくろうというのが1点です。ですから、分野を横断していろいろなことが学べます。
それからもう1つは、デザインなのです。そういうことでいろいろな構想をするときに、これも私自身はよくいろいろなところでいうのですが21世紀はいろいろな物事が、いわゆる大企業が素晴らしい製品を大量生産するので、それをみんなが買えばいいという世界ではないと思うわけです。むしろ、1人ひとり、自分がどういうものが欲しいかという、――サプライサイドの都合...
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