大学教育の未来~対話・デザイン・多様性
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
東京大学創立150周年のスローガン「響存」への思いとは
大学教育の未来~対話・デザイン・多様性(6)デザイン視点と「響存」
藤井輝夫(東京大学第31代総長)
研究や事業において、さまざまな人や分野が多様に連携するこれからの時代、大学教育に必要なのは「デザイン」の視点だ。それを踏まえ、東京大学が掲げるのが「College of Design」という構想である。日本の近代化とともに迎えた東京大学の創立150周年のスローガンである「響存」に込められた思いについてと合わせて解説する。(全6話中第6話)
時間:9分04秒
収録日:2024年6月26日
追加日:2025年1月6日
≪全文≫

●「デザイン」の視点をベースにした「College of Design」


 そういうことも含めて東京大学としても、もう少し海外から人に来てもらうということで考えたのが、この「College of Design」ということになります。

 2027年の秋にオープンしたいのですが、まず「College of Design」の「デザイン」というのは、非常に広い意味でのデザインです。いわゆる、未来の社会をデザインして、つくっていけるようなリーダーを教育しよう、生み出していこうということです。

 ですので、例えば法律をつくるのもデザインですし、社会システムをつくるのもデザインですし、公共サービスをどのようにつくっていくかもデザインです。世の中、社会をつくっていくには、デザインというものの見方が非常に重要だということです。もちろん、ビジネスのデザインもあるし、プロダクトのデザインもあるし、いろいろなもののデザインもあると思いますが、そういう意味で、デザインという考え方をベースに据えた1つのカレッジをつくろうということです。


●デザイン思考に欠かせない学際性とユーザー目線


 2つ重要なことがあります。1つは、今そういった社会のデザインとか、新しいサービスを考える、あるいは新しい課題解決を考えようとしたときには、工学や理学、物理、化学など単独の学問では、ほとんど解決はできないわけです。これはすべからく、例えば社会科学的な視点も必要ですし、歴史的な背景も見なければいけないかもしれないし、当然、テクノロジーも理解しなければいけないということになっていきます。そうすると、いろいろな専門から自分がやりたいと思うプロジェクトなり課題に合わせて、学生それぞれが必要な知識を身につけていく。それを全体としてコーディネートして自分のものにしてまとめていくということができるような環境をつくろうというのが1点です。ですから、分野を横断していろいろなことが学べます。

 それからもう1つは、デザインなのです。そういうことでいろいろな構想をするときに、これも私自身はよくいろいろなところでいうのですが21世紀はいろいろな物事が、いわゆる大企業が素晴らしい製品を大量生産するので、それをみんなが買えばいいという世界ではないと思うわけです。むしろ、1人ひとり、自分がどういうものが欲しいかという、――サプライサイドの都合...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
法隆寺は聖徳太子と共にあり(1)無条件の「和」の精神
聖徳太子が提唱した「和」と中国の「和」の大きな違いとは
大野玄妙
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(1)「断絶」を乗り越えるという主題
小林秀雄と吉本隆明の営為とプラグマティズムの格率
浜崎洋介
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介

人気の講義ランキングTOP10
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(2)量子論と空海密教の本質
脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは
鎌田東二
編集部ラジオ2025(27)なぜ何回説明しても伝わらない?
なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
島田晴雄
デカルトの感情論に学ぶ(2)感情をコントロールするには
恐怖をなくす方法と感情のコントロール…デカルトの考え方
津崎良典
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(2)「ほめる」技術
男性は「ほめる」のが苦手?傾聴から始まる「ほめる」技術
三谷宏治
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ