徳川将軍と江戸幕府~家重、家治、家斉編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
なぜ徳川家治は名門大名ではない田沼意次を重用したのか
徳川将軍と江戸幕府~家重、家治、家斉編(3)家重・家治と田沼意次の関係
10代将軍・徳川家治の時代に活躍したのが田沼意次であり、さまざまな改革が行われた。なぜ家治は、三河由来の名門大名ではない田沼意次を抜擢したのか。あるいは、なぜ田沼意次が家治の信頼を得られたのか。その背景に迫る。(全5話中3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10分41秒
収録日:2020年12月14日
追加日:2022年1月29日
≪全文≫

●田沼意次と松平定信


―― 次は10代将軍・徳川家治についてです。1760年から1786年の26年間、統治しました。徳川家治といえば、田沼意次です。田沼が行ったことは、財政赤字を食い止めるための重商主義政策、「株仲間」の結成、鉱山開発、蝦夷地開発等々があります。

 まず、家治がどうして田沼を抜擢したのか。そして、家治はかなり英明な君主だったけれども、「田沼に任せておけば幕府の治世はなんとかなる」となぜそこまで田沼の行うことを是としたのか。このあたりをぜひ教えてください。

山内 田沼家は、紀州から徳川吉宗が将軍として江戸に入った時についてきた家柄でした。もともと紀州家の家臣なので、江戸から見れば陪臣で、しかも小臣でした。このことが後々、松平定信などと非常に大きな対立を生むことになります。定信は非常に立派な、器量の大きな政治家だったけれど、彼が唯一見せた器の小さなところは、田沼に対して「絶対に許さない」という個人的憎悪があったことです。

 それはいろいろと理屈があるのですが、結局、彼自身が父と同じように将軍になれなかったからです。それを阻害したのは田沼なのだ、ということがあるのです。

 それからもう1つは、自分のような人間、つまり(松平定信は)吉宗の孫ですから、その毛並みの良さと能力の高さから、非常に自分を恃むところが大きかったのです。意次と定信は、比較すると非常に面白いです。


●田沼意次は使える男だった


山内 田沼が重用された理由が2つあります。まず徳川綱吉の時の柳沢吉保がそうであったように、徳川家重には大岡忠光という側用人がいました。家治にはご指摘の田沼がいました。彼らに共通しているのはまず、譜代の正統的な血筋ではないということ。要するに、三河由来の名門旗本、名門大名ではないということです。

 徳川の政治体制は、4代将軍の治世の大老・酒井忠清に象徴されるように、将軍が直接統治をしなくても、大老や老中が集団指導体制をもって機能していれば成り立つようになっていました。そのため、将軍はよほどの器量を持った人間であっても結局、大老、老中の合議制システムに委ねていくことが大きかったのです。

 しかし、綱吉のような個性的な将軍、吉宗のような有能な将軍が出てくると、将軍は自分の意思をいかに政治...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
『昭和16年夏の敗戦』と『昭和23年冬の暗号』
『昭和16年夏の敗戦』『昭和23年冬の暗号』が映す未来とは
猪瀬直樹
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男

人気の講義ランキングTOP10
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(33)鎌田東二先生の法華経講義解説-2
【10min名作探訪】大丈夫だよと励ましてくれる『法華経』…鎌田東二先生の講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留