グローバル・サウスは世界をどう変えるか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
グローバル・ウエスト対中露、努力むなしい日本の現実
グローバル・サウスは世界をどう変えるか(6)グローバル・ウエストと中露の戦略
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
世界の勢力図を変えつつあるグローバル・サウスの影響力は、G7をはじめとするグローバル・ウエストの国々に深く浸透しつつある。また、中南米や中東、そしてアフリカのグローバル・サウスを取り込もうとする激しい争いは、グローバル・ウエストと中国、ロシアとの新しい対立を生んでいる。今回の講義では、その中で注目される日本とアメリカ、そして中国とロシアの動きを中心に分析していく。(全10話中第6話)
時間:11分33秒
収録日:2024年2月14日
追加日:2024年5月8日
≪全文≫

●グローバル・ウエストの日本の役割


 ある国が今どういう状態にあるのかというのは、やはり歴史に学ぶ必要があり、これは実例で示されたと思います。このグローバル・サウスの国々が非常に力を持ってきたので、既存の勢力、G7などもまさに西側諸国の代表ですが、最近は「グローバル・ウエスト」というそうです。

 この勢力と、それから中露の専制権威主義国ですが、これらが自分の陣営に巻き込もうとしていろいろな努力をしています。この巻き込もうとする努力に、グローバル・サウスがどう対応したのかについて、まず見ておきたいと思います。

 その1つは、2023年5月に広島でサミットが開かれたことです。G7サミットで、議長国は日本ですから、岸田文雄首相が議長として活躍して世界中を駆け回ってアピールしました。そして1つは、ロシアのウクライナ侵略はG7として断固反対するということで、ゼレンスキーさんが来てくれればいいなと思っていたのですが、最初は来るといわなかったのですけれど、飛んできました。

 ただ、このG7の首脳会議の最大の売り物として、グローバル・サウスの国々の代表者を8カ国の国と地域から呼んでいるわけです。この人たちはゼレンスキーさんと初めて会うわけですが、いろいろな共同会議や個別会談もしたようです。この時、非常に印象に残っていることは、これらの国々はロシアの侵略には批判的ですが、ロシアの批判はしないことです。そしてウクライナの支援について、これらの国はとうとう言明しませんでした。

 G7も非常に気をつかって、これらのグローバル・サウスの国々が対応できるような問題ばかり議題に選んでいます。それから、グローバル・サウスという言葉はやめようということを、アメリカのブリンケン長官が提案したのです。この会議ではパートナーということで、せいぜいやったことは、法の支配が重要だということを共通に認めましょうということでした。

 つまり、ロシアのような一方的な力による変更を認めないということなのですが、これはグローバル・サウスも「それはまあいいだろう」ということで、G7がこれを最大公約数にしたのですけれど、これがグローバル・サウスを迎えようとするG7首脳会議の精一杯の成果でした。その程度なのです。

 岸田首相はその後、東南アジアで活躍して、ASEAN、ASEAN+3(日中韓)、ASEA...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(4)ビットコインは通貨たりうるか
ビットコインは通貨たりうるか…法定通貨との併存も困難?
養田功一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(3)稲作社会と頑張る日本人
ダメなのは「頑張りが足らない」から…うつを招く稲作的発想
與那覇潤
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
編集部ラジオ2026(11)日本史から読むメンタルヘルス
【10min解説】與那覇潤先生《日本人とメンタルヘルス》
テンミニッツ・アカデミー編集部
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
ユダヤ神話の基本を知る
ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界
鎌田東二