●グローバル・サウスの盟主を自認するインド
こういう(グローバル・サウスの)国々はいったいどのような経緯をたどって発展してきているのか、ということを少し具体的に考えたほうがいいのではないかと思います。
(そこで)皆さんと一緒にそれらの国々の歴史をたどりたいと思うのですが、選んだ国は非常に目立っているインド、それからインドネシア、トルコ、サウジアラビア、イラン、ブラジルくらいです。その他に、メキシコ、タイ、南アフリカなども入れられるのですが、やはりこの6つの国は(人口も)相当多いので、皆さんと一緒に勉強してみたいと思います。これらの国々はそれぞれ独自の歴史を経過していて、その歴史の結果として今日があると思います。それをちょっとここで、まず復習しておきます。
まずインドですが、インドはグローバル・サウスの盟主を自認しているのです。インドは2023年、中国を人口で追い抜いて今、世界最多の人口です。そして、インドは最近、非常に目覚ましく発展しているのですが、ここでちょっとその姿を見てみたいと思います。
この図を見ますと、オレンジがインドです。ものすごく急激に発展しています。ここでは、3カ国ずつ図示しています。インドネシアとトルコは似たようなパターンで成長しているのですが、こういうことです。(一方、)インドの21世紀に入ってからの成長は、GDPのサイズで見るとだいたい3.7倍くらい拡大しています。平均成長率がざっと見て7.5パーセントで、相当の高度成長です。
さらにインドは、独自の外交をやっているのです。どのような外交かというと、クアッド(Quad)という4カ国の連合体のようなものを作ろうと。アメリカが主導して日本も入ってやっているのですが、アメリカ、日本、オーストラリア、インドで首脳会議をやろうというので、初めて日本でやることになり、その時にインドはこういうことを言ったのです。(それは)中国を明らかに包囲しようとしているのですけれど、中国の名前を出す会議だったら出ないと、モディ首相がいったのです。
これにアメリカはすごく困ってしまいます。なぜかというと、(これまで)インドと中国はときどき戦争(紛争)をしているので、当然、中国包囲網に入ってくると思ったら、嫌だというわけです。そこは独特のインドの国際感覚です。
ところで、ロ...