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急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(3)インドネシアの成長とトルコの外交力

島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツTV副座長
概要・テキスト
グローバル・サウスの中でも高度経済成長を遂げているのがインドネシアだ。長期のスカルノ時代とスハルト時代を経てその後に民主化が進んだ、東南アジアで最大のイスラム教国である。また、トルコは多国間に接する地理的特性とその歴史から、外交巧者としての評価が高いイスラム教国である。今回の講義では、この2つの国を取り上げて、今後の行方を学んでいく。(全10話中第3話)
時間:13:59
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/17
≪全文≫

●すさまじい成長を遂げているインドネシア


 次に、2番目の例としてインドネシアです。インドネシアはジョコ(・ウィドド)さんという人がリーダーで大変評判が高いものでした。2024年2月14日、インドネシアで大統領選挙が即日開票されるのですが、ジョコさんは大変影響力のある人です。

 実は、2022年にG20で議長をやっていました。この時(2022年)はロシアがウクライナを攻めている最中ですから、みんなロシアはどうかと思っていた時に、ジョコさんは「プーチンを呼びたい」と言って習近平に頼んでいるのです。(つまり)「仲介してくれ」と言ったのですが、プーチンさんは来ませんでした。

 そして、会議が終わる時に首脳宣言を出すわけですが、それを見て西側諸国はジョコさんを見直したというか、大変評価を高めたのです。というのは、ロシアのウクライナ侵攻についてかなり厳しいトーンで首脳宣言が書かれていたからです。

 そのようなことで、ジョコさんはいろいろなところで活躍をしているわけですけれど、今度の大統領選挙で、ジョコ政権の国防大臣やっていた72歳のプラボウォ(・スビアント)さんが、ジョコさんの政策を継いでいくということだと思います。インドネシアは今、だいたい10年間大統領をやりますから、ちょっと高齢ではあります。

 経済発展について、インドネシアもこの図表を見ると分かります。インドと比べるとレベルが違うので目立ちませんけれど、インドネシアに焦点を当てると相当の成長をしています。21世紀に入って、経済は2.9倍になっているほどすごい成長です。

 インドネシアの成長の最大の要因は人口ボーナスです。若い人口がたくさんいて、しかも製造業が今どんどん伸びており、特にジャワ島には工業団地がすごいのです。日本企業なども、タイに次ぐような自動車工業団地を造っています。タイの日本企業の工業団地はものすごく、ご存じかと思いますが、年間約150万台(自動車を)作って輸出しています。インドネシアも同じように頑張っています。

 それから、インドネシアは東西にものすごく長く島が連なっているわけです。アメリカ大陸よりも東西は広いというので、各地に特徴があり、それを生かした工業発展をしているわけです。さらに今、新首都を建設中です。

 また高速鉄道は、日本...
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