躍進するインドIT産業の可能性と課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
なぜ日本企業のインド進出は遅れているのか
躍進するインドIT産業の可能性と課題(8)日印関係の発展
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
日印関係は現在、安倍首相がモディ首相との良好な関係を築き、インフラ整備へ協力するなど、これまでにないほど緊密化している。インドの日本に対する好意的な態度は第2次大戦の時から顕著だが、日本企業のインド進出は、中国進出に比べて圧倒的に低い水準にとどまっている。その要因として挙げられるのが、インド社会や歴史に対する理解不足だ。大きな可能性を秘めたインドとの関係を今後ますます発展させていくためにも、インドについてもっと学ぶ必要がある。(全8話中第8話)
時間:12分56秒
収録日:2020年4月7日
追加日:2020年7月24日
カテゴリー:
≪全文≫

●戦後から日本に対して友好的だったインド


 それでは最後に、日本とインドの関係についてお話しします。

 日本とインドの正式な国交の開始は、1952年です。この時に、日本に対して非常に寛大な内容を持つ日印平和条約が結ばれたのです。また、独立したばかりの戦勝国であったにもかかわらず、インドはサンフランシスコ講和会議で主権を回復した日本へのアメリカ軍の駐留に反対して、会議を欠席しています。さらに、日本への請求権を放棄するという、非常に友好的な姿勢を示しました。大戦中の主要な戦争犯罪人を裁いた東京裁判では、インド人のパール判事が日本人被告の無罪を主張しました。他にも、1949年にネルー首相は友好の証しとして、娘の名を取ったインディラというゾウを上野動物園に送るなど、非常に好意的な姿勢を取っていました。

 1958年に日本はインドに対してODAの第一号となる円借款を供与しましたが、その前年である1957年には岸信介首相が初めてインドを訪問しました。しかし、冷戦時代に日本は日米同盟を基軸とする自由主義経済の方針を採っていたのに対して、インドは非同盟外交の方針を貫き、閉鎖的な経済体制を取ったために、日本との接点がなくなってしまいました。


●1991年の経済危機を皮切りに活発化していく日印関係


 日本とインドが最接近する契機となったのは、先ほども言及した1991年の経済危機です。この危機の最中、外貨準備が底をついてデフォルトしそうになりましたが、この時、日本はアジア開発銀行から協調融資をして、インドは危機をしのいだのです。


 その後、1998年に政権に就いたBJP(Bharatiya Janata Party、インド人民党)のバジパイ(アタル・ビハーリー・ヴァージペーイー)首相は、経済開放をさらに進める政策を取りましたが、核実験を強行しパキスタンも対抗して核実験を行いました。日本はこれに抗議して、即座にインド大使を帰国させるなどして、しばらく関係は中断し、その間に冷却してしまいました。

 2000年の森喜朗首相によるインド訪問は、新たな雪解けとなりました。クリントン大統領がインドを訪問したので、これを好機と見た森首相もインドを訪問したのです。そこでバジパイ首相と会談して、インドは核実験を凍結する代わりに日本は経済制裁措置を緩和するという合意を結びました。そして、日印関係を「21世紀におけるグローバル・パートナーシッ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(4)新規事業成功のポイント
新規ビジネスの立ち上げ方、伸ばし方、見切り方の具体例
水野道訓
プロジェクトマネジメントの基本(10)大脳生理学によるモチベーション理論
論理的?計画的?社交的?冒険的?利き脳による4タイプ
大塚有希子
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(3)健康産業イニシアティブ実装に向けて
使えるデータで「健康のプラットフォーム」を実現しよう
小宮山宏