躍進するインドIT産業の可能性と課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
インドの剛腕政治家・モディ首相…その華々しい政策の数々
躍進するインドIT産業の可能性と課題(3)モディ首相の政策と個性
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
モディ首相の統治の特徴は、目を引くキャッチフレーズを伴った華々しい政策を矢継ぎ早に打ち出すという点にある。また、高額紙幣の廃止、国民ナンバー制度の創設と実施、間接税の一本化など、非常に難しい問題を強硬に実施してしまうだけの剛腕政治家としての側面も持っている。強いリーダーシップを持つモディ首相の個性は、どういった経験から育まれたのだろうか。(全9話中第3話)
時間:11分12秒
収録日:2020年4月7日
追加日:2020年6月19日
カテゴリー:
≪全文≫

●目を引くキャッチフレーズと華々しい政策の数々


 前回、モディ首相の政治スタイルについてお話ししましたが、もう一つの特徴は、華々しい政策を、次から次に出すことです。就任してすぐに、「Make in India」と発言しました。つまり製造業を積極的に振興するというのです。

 モディ首相の心の中には、日本モデルがあると思うのです。日本が高度成長した際に、「太平洋ベルト地帯」と呼ばれる切れ目なしの工業地帯を形成しました。モディ首相はそのことをかなり勉強していて、そうした政策をインドで展開したいと思っています。こうした政策を「Make in India」というキャッチフレーズでまとめあげました。キャッチフレーズを作るのに長じた方のようで、このようにアピールしているのです。

 また、「Skill India」というキャッチフレーズも打ち出しました。人口が多いのですが、インドの人たちが職業能力を身につけなければ、実は人口ボーナスということにはなりません。ですので、職業能力を身に付けることを奨励しています。さらに、IT産業に強みがあるので、「Digital India」や「Startup India」などといって、大規模な優遇政策を取っています。

 加えて「Clean India」、つまり環境整備にも取り組んでいます。この環境整備は、インドのような国で主張することには多少問題があります。つまり2015年にパリで、環境合意が形成されましたが、これに加盟しないかと誘われてずっと逡巡していました。つまり、途上国の代表のような立場を取っているので、加盟は不利ではないかと思われていたのです。しかし、2016年、パリの会議の直前に参加を表明して、パリへ行った途端に、太陽光発電を促進する国際ソーラー同盟を創設すると提案しました。とにかく目立ちたい人のようですが、なかなか見事な振る舞いです。


●過激な政策を実行する剛腕政治家としての側面


 それから2016年11月8日、皆さんがテレビの前で目を皿のようにして、トランプ氏の大統領就任のニュースを見ていた時です。真夜中に突然、モディ首相がテレビに出てきて、高額紙幣は廃止するというとんでもない発言をしたのです。10日後までに、銀行で旧札を新札に交換しなければ、全て使えなくなるというのです。大混乱ですよね。最初は非難轟々だったのですが、やがて収束しました。その3カ月後に地方選挙が行われたのですが、そこでもBJPが大勝を収めまし...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫

人気の講義ランキングTOP10
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博
歌舞伎はスゴイ(4)歌舞伎のサバイバル術(後編)
江戸時代の歌舞伎にも大波乱が…どうやって生き残ったか
堀口茉純
「進化」への誤解…本当は何か?(6)木村資生の中立説
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(2)MAGAの矛盾と内戦の現状
MAGA内戦勃発…なぜトランプがMAGAの敵になってしまうのか
東秀敏
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典