躍進するインドIT産業の可能性と課題
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ガンジーが率いたイギリスからの独立運動と印パ分離の悲劇
躍進するインドIT産業の可能性と課題(5)独立をめぐる過酷な歴史
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
インドの20世紀史は、イギリスからの独立闘争に始まった。マハトマ・ガンジーは戦間期のインドの独立運動を率い、国内的にも国際的にも大きな影響力を持った。第二次世界大戦が始まると、インド兵を集めたいイギリスとの交渉を経て、独立の契機が生まれた。しかし、イスラムとヒンドゥー教の宗教間対立は根深く、国家の形態をめぐって折り合いがつかず、ついにはインドとパキスタンの2つの国に分裂した。(全8話中第5話)
時間:10分36秒
収録日:2020年4月7日
追加日:2020年7月3日
≪全文≫

●マハトマ・ガンジーが率いたインド独立運動


 以上のようなインドの現状は、インドの歴史的な背景によってかなりの程度規定されています。少し複雑ですがインドの歴史を紐解いてみますので、引き続きお聴きいただきたいと思います。

 1947年8月15日、日本の終戦記念日と同じ日に、ジャワハルラール・ネルーはインドの独立を宣言しました。それから2年かけて、インド憲法を制定しました。国名はインドですが、ヒンディー語ではバーラトといいます。国家体制としてはソ連をモデルとした社会主義を取りました。それから国家の立場は世俗主義で、宗教と政治の間に距離を置きました。

 独立まで、インドは非常に苦労しました。皆さんもよくご存じのマハトマ・ガンジーは、中流の商人階級の家に生まれました。イギリスで弁護士になろうと志し、それから南アフリカに移り弁護士の仕事に就きました。そこでインド人を支援していたのですが、期するところがあってインドに帰ってきて、このインドを変えなければならないと心に誓いました。ただし、暴力は使わず、無抵抗主義・非協力主義によって、農民運動や労働運動を指導し、大きな人気を得ました。

 グジャラート州の州都であるアフマダバードに修道場を建てると、多くの人々がそこに通うようになりました。ネルー家の親子もガンジーに心服して右腕となりました。その後息子のジャワハルラール・ネルーが首相となります。

 そしてガンジーは1930年に、78人の弟子を連れてこの地から200キロも離れた海岸に向けて有名な「塩の行進」を行いました。これは世界中で報道されました。

 また、ガンジーは写真を撮るときに、糸車を横に置いています。糸車で木綿の生地を作って、それをまとうのです。これには一説によると、次のような話があります。ビハール州という非常に貧しい州には昔、織物の職人が多くいたのです。その頃、イギリスは産業革命の最中で、急速に布の値段が下がっていきました。ところが、どれだけ安くしても、低賃金のビハール州の職人に勝つことができませんでした。そこである時、ビハール州の職人を並べて、イギリス商人が全員の手首を切り落としたそうなのです。こうした歴史を思って、彼は必ず白の粗末な服を着ていたのです。モディ首相は比較的派手な衣服を着ますが、他のインドの政治家でも同じように質素な衣服を意識的に身にまとう人はいます。

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