躍進するインドIT産業の可能性と課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ヒンドゥー教とイスラム教の対立が激しいインドの宗教的多様性
躍進するインドIT産業の可能性と課題(4)インドの多様性
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
インドは、日本とは比較にならないほど多様な国である。多様性という面では宗教もその一つだが、中でもヒンドゥー教とイスラム教の対立は、1947年インド独立の際に大変な悲劇を引き起こし、その後、ガンジーの暗殺など、深刻な宗教問題となっている。また、多様性ゆえの問題として、巨大な経済格差やカースト制度も存在している。こうしたインドの多様性を理解することが、インドとの関係を考える上で重要である。(全9話中第4話)
時間:9分58秒
収録日:2020年4月7日
追加日:2020年6月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●ヒンドゥー教徒が8割だが、宗教は非常に多様


 モディ首相は、宗教関連で手痛い目に遭っていますが、選挙ではまた勝利しました。彼は、宗教関連で評判を落としながらも選挙に勝利した事実に、ある種の自信を得たのではないかと思われます。つまり、さまざまな宗教それぞれに配慮するのではなく、人口の8割を占めているヒンドゥー教徒の強力な支持を得れば、選挙で勝利できるという確信を得たのではないかと思うのです。

 そして2019年には、国籍法改正を強硬に主張し始めました。2014年の末までにインドに不法入国したバングラデシュ、アフガニスタン、パキスタンの3カ国の出身者のうち、ヒンドゥー教、キリスト教、仏教などの6宗教の信者は、インド国籍を与えられます。一方、イスラム教徒は対象外とされ、書類を提出しなければなりません。しかし、書類を準備できる人は少ないのです。それゆえ、大規模なデモが起きています。ということで、強烈なヒンドゥー至上主義者です。

 インドは非常に多様な国で、インド人に聞いても誰もが非常に多様な国だと答えます。まず民族からしても、顔を見るとインド人らしい人、黒人のような人、東南アジア系のような人などさまざまな人がいて、本当に多くの民族から成り立っているのです。

 また、宗教も非常に多様です。ヒンドゥー教徒が多く、8割を占めますが、その他にも数十の宗教の信者がいます。細かく分類すると、2000程度の宗教があるのだそうです。


●ヒンドゥー教とイスラム教の対立が示すインドの宗教問題の深刻さ


 この宗教の多様性が実は政治に非常に影響しています。皆さんもよくご存じの無抵抗運動のマハトマ・ガンジーは、インドのイギリス植民地からの独立を指導したといわれています。ガンジーはある種の理想主義者で、インドにはさまざまな宗教があるが、それらを全て包摂した国家として独立したいと望んでいました。「Integration of Diversity(多様性の統合)」ということで、多様性を包摂し統一すると主張していました。

 しかし現実はうまくいきませんでした。ヒンドゥー教とイスラム教の激しい対立は、1947年にインドが独立する際に、大変な事態を引き起こしました。今のインドとパキスタン、バングラデシュは、生木を裂くように切り裂かれたのです。パキスタンもバングラデシュもイスラム教徒が多いのですが、これは、私見ではイギリス植民地政...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(4)アレクサンドル・ネフスキーの英雄化
ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
上月豊久
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
今後の技術革新と企業経営(6)仮想通貨とフィンテック
仮想通貨が本当の「通貨」にならない理由
柳川範之
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(3)「デジタル人材」に対する誤解
「デジタル人材の不足」は知識ではなく「気づき」の問題
西山圭太
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠