AI時代と人間の再定義
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
AI親友論って何?「Self-as-WE」と京都学派の思想
AI時代と人間の再定義(5)AI親友論と「WE」という概念の問題
中島隆博(東京大学東洋文化研究所教授)
「AI親友論」という出口康夫(京都大学文学研究科教授)氏の議論がある。「Self-as-WE」(われわれとしての自己)という考え方で、AIが友人として入っても何の問題もないのではないかという議論だが、これに対して中島氏はどう考えるのか。京都学派的な関係優先の思想を取り上げながら解説する。(2025年7月12日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第5話)
※司会者:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:7分30秒
収録日:2025年7月12日
追加日:2026年2月6日
≪全文≫

●「Self-as-WE」の議論におけるAIとは


―― もう1つ。話が変わりますが、いただいたレジュメの中で、出口康夫(京都大学文学研究科教授)先生(の『AI親友論』)の引用もされていました。

 そして、先ほど中島先生からHuman Co-becomingのお話もありましたけれど、出口先生もどちらかというと、「われわれ」というような概念で、その中にAIを入れ込むような議論展開をされているということですが、その議論のご紹介と、そこの議論と中島先生の議論の違いというか、そのところから浮かび上がってくるものを教えていただけますか。

中島 出口さんは私とだいたい同世代です。それで、当然ですけれど、『ドラえもん』とか、『アトム』とか、あのようなイメージがどうしても出てくるわけです。『AI親友論』ということですが、なんとなくそういう人型のロボットというものをイメージされているのではないかと思うわけです。

 その議論のポイントは、「Self-as-WE」、(つまり)「われわれとしての自己」という考え方です。「わたし」というあり方は、ヨーロッパ的な個人、Individualismです。Individualityとして独立しているものではなく、「われわれ」の中で成立してくるものだと。それが「わたし」なのだと。その「われわれ」の中に、AIが入ってもいいではないかというわけです。AIがともに冒険をする友人です。友人として入っても、全然何の問題もない。こういう議論をするわけです。

 出口さんは京都大学の先生ですから、これはどこかで京都学派的な考え方を、意識的にか無意識的にか分かりませんが、やはり批判的に継承しないといけないとお考えになっているように私は見ているわけです。

 では、その京都学派的な考えとは何かというと、それは「関係が主体に先立つ」ということです。西洋の考え方だと、主体があってその主体が別の主体と二次的に関係を持つ、こういう言い方をします。京都学派は、いやそうではないと。主体自体が関係の産物であると。つまり、関係がまずあり、そこで主体が浮かび上がってくる。そういうことなのではないかと。

 「Self-as-WE」というのは、まさにその現代版、「われわれとしての自己」です。まず「われわれ」という関係性があって、その中で自己が定義されていく。こういう考え方なのです。それはそれで、1つの哲学的な判断といいますか、方向性だと思います。

 ただ問題...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(序)『ばけばけ』と『神国日本』
ラフカディオ・ハーンの遺著『神国日本』の深い意義とは?
賴住光子
「自分をコントロールする力」の仕組み(1)自制心と目標の達成
自制心の重要性…人間は1日4時間も何かを「欲求」している
森口佑介
「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
田口佳史
ムハンマドを知る(1)その役割と人物像
ムハンマドは神の啓示を受けた預言者で共同体の最高指導者
山内昌之
世界の語り方、日本の語り方(1)なぜ「語り方」なのか
今後身に付けるべき知性として「新しい語り方」を考える
中島隆博
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(1)因果関係とは何なのか
原因と結果の迷宮―因果関係と哲学
一ノ瀬正樹

人気の講義ランキングTOP10
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(9)ユダヤ人の多様性
ユダヤ人は一枚岩ではない…米国ユダヤ人のイスラエルへの違和感
鶴見太郎
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
生き抜くためのチカラ~為末メソッドに迫る(4)人生の勝敗を考える
幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか
為末大
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
「不便益」とは何か――便利の弊害、不便の安心
川上浩司