歌舞伎はスゴイ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
江戸時代の歌舞伎にも大波乱が…どうやって生き残ったか
歌舞伎はスゴイ(4)歌舞伎のサバイバル術(後編)
堀口茉純(歴史作家、江戸風俗研究家)
江戸時代を通して歌舞伎が人々の注目を集めていたわけではなく、人形浄瑠璃をはじめ人気の娯楽が数々出てきて、歌舞伎の人気が落ちていく局面も幾度もあった。しかしそこで様々な工夫によって、人気を取り戻し、多くのお客様を呼び戻してきたのだ。今の経営にも通じるような工夫の数々とは、どのようなものだったのだろうか。江戸歌舞伎の生き生きとした、したたかな取り組みに光を当て、歌舞伎の本質の一面と、現代まで脈々とつながってきた理由を解き明かしていく。堀口茉純氏の『歌舞伎はスゴイ』(PHP新書。https://amzn.asia/d/hj7N07g)をベースに解説。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:12分46秒
収録日:2019年4月3日
追加日:2026年1月22日
≪全文≫

●徹底的な「コラボレーション企画」で人気を盛り返す


―― これが1つの今回の主題にもなろうかと思うのですが、さてここで特に二代目團十郎さんを中心に、どのようなことをやっていったのかです。

堀口 もう、自分たちの力(自力)がなかなかなくなったときにどうしたか。これは割り切り方がかっこいいと思ったのは、人気のある人形浄瑠璃の世界を持ち込もうとするのです。こっち(人形浄瑠璃)に人気があるから、それを歌舞伎の世界でやれば――つまり人形でやっていることを人間でやれば、お客さんが来るのではないかということです。ほとんど人形のままを、舞台でやって見せるということをやるわけなのです。

 いま、ちょうど2.5次元などが舞台の世界で流行っています。あれは元々の世界観があって、それを本当に役者さんたちはイメージを崩さないようにお化粧したり、扮装したりして再現することをなさっているのですけれども、まさにそのとおりで。

―― 2.5次元というのは、どのあたりの話ですか。

堀口 2.5次元というのは、たとえばゲームとかアニメで人気のある(2次元の)コンテンツを、舞台や映画で、生の人間が再現していくというものです。

―― 最近、歌舞伎でもいろいろありますね。

堀口 そうですね。スーパー歌舞伎などでは、たとえば『ワンピース』という人気のあるアニメ作品を歌舞伎化したりすることが行われているわけなのですけれども、そういった現象がまさに享保期の歌舞伎界に起こっていました。

 そういった人形浄瑠璃だけではなくて、たとえば当時の人気アーティストとコラボ(=コラボレーション)したり、そのように積極的に、世間に人気のある業界と歌舞伎をコラボさせることによって、なんとかお客さんを呼び込み、また歌舞伎も新しい芸能としての形を模索していった。なので、この享保の停滞期がなければ、もしかすると現代につながる歌舞伎は生まれなかったかもしれません。

―― ですよね。有名な演目で言いますと『仮名手本忠臣蔵』。あれも元々は浄瑠璃なのでしたか。

堀口 そうですね。あれも元々は人形浄瑠璃でやっていたものを歌舞伎に持ち込んでというようなことが。

―― ちょうど人形浄瑠璃で、有名どころでいくと近松門左衛門の心中物などがありますけれども、その流行った文化を取り入れて。

堀口 取り入れていく。

―― やっていったというところです...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
『昭和16年夏の敗戦』と『昭和23年冬の暗号』
『昭和16年夏の敗戦』『昭和23年冬の暗号』が映す未来とは
猪瀬直樹
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二

人気の講義ランキングTOP10
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
中国春秋戦国時代と始皇帝(4)秦と周辺国の激烈な戦い
秦と周辺国の激戦の真実に迫る…各国の兵力と秦の戦略とは?
鶴間和幸
編集部ラジオ2026(23)上半期人気ランキングBest30
【編集部ラジオ】令和8年上半期人気ランキングBest30
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
日本の財政の真実を検証する(4)日本の台所事情と財政の本義
「1秒間に41万円?」…この数字はいったい何を意味するか?
宮本弘曉
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(4)福田恆存とは誰か?
「一匹と九十九匹と」…政治と文学の関係を問うた福田恆存
浜崎洋介