歌舞伎はスゴイ
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
歌舞伎十八番を定めた七代目市川團十郎、一番モテた八代目
歌舞伎はスゴイ(2)市川團十郎の何がスゴイか(後編)
堀口茉純(歴史作家/江戸風俗研究家)
第2話では七代目と八代目の市川團十郎に光を当てる。七代目は寛政3年(1791年)に生まれて安政6年(1859)に亡くなっており、八代目は文政6年(1823年)に生まれ、嘉永7年(1854年)に亡くなっている。江戸後期から幕末にかけて活躍をした親子だが、七代目は「歌舞伎十八番」を選定するなど現代へつながる歌舞伎の路線を決定づけた人物であり、しかも幕府の弾圧に果敢に立ち向かった人でもあった。一方の八代目は、堀口氏いわく「江戸時代で一番モテた」人物だというが、32歳で謎の自殺を遂げる。だが、その死に際して出された「死に絵」からも八代目の圧倒的な人気が伝わってきて……。江戸時代における市川團十郎の活躍と、現代につながる意義を深掘りする。堀口茉純氏の『歌舞伎はスゴイ』(PHP新書。https://amzn.asia/d/hj7N07g)をベースに解説。(全4話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:10分52秒
収録日:2019年4月3日
追加日:2026年1月15日
≪全文≫

●「歌舞伎十八番」の選定…現代の歌舞伎を決定づけた七代目


―― 七代目(市川團十郎)ということになるのですが、七代目になるとお生まれが寛政3年(1791年)。それで、お亡くなりになるのが、皆さんもお聞き及びだろうと思う、あの安政(という元号)の6年(1859年)ということで、もうだいぶ江戸時代も後ろのほうになってきたというところですね。この七代目の團十郎さんというと、どんな役割を果たされた方になるのでしょうか。

堀口 この人はもう、現代の歌舞伎の路線を決定づけたような方です。というのは七代目が活躍していた時期は、歌舞伎も良かったのですが、他の芸能もどんどん、たとえば落語だったり講釈だったり、歌舞伎以外の芸能も良かった時代なんですね。だからここに埋もれてしまってはいけないということで、「歌舞伎は、もうずっと歴史があるものなんだ」「1つの権威ある伝統的な芸能なんだ」ということを打ち出すことをやったのです。

 その象徴的なことは「歌舞伎十八番」の選定です。市川團十郎家の芸をまとめまして、「こういうものなんだ」ということをどんどん自分が体現していくことをやっていきました。

 と同時に、幕府の娯楽への締め付けが厳しくなる時代だったのですが、この方はわりとめげずに、「いや、歌舞伎がそんな不景気なことやっていたらいかんだろう」ということで、わりと豪華な華やかな世界観をやり続けた。そのことによって、やっぱり幕府から目の敵にされて……というように、どちらも負けないというせめぎ合いがあったのが七代目ですね。

―― まさに反骨精神ですね。

堀口 はい。おっしゃる通り。

―― しかも、このときはちょうど天保の改革の時期で、幕府は前の享保の改革もそうですけれども、改革になるとだいたい歌舞伎いじめが始まるというところですね。

堀口 そうですね。おっしゃる通りで、歌舞伎というものは庶民の娯楽の象徴だったわけですよね。で、江戸時代の改革というものは、「そういった娯楽なんかは、けしからん」「経済を引き締めるために、そういう娯楽なんかやっちゃダメだ」というのが幕府の立場でしたから、やっぱりいわゆる三大改革といわれるような改革の時代は、歌舞伎にとってはかなり厳しい時代だった。まさにその時期に活躍されていたのが七代目、八代目ということになります。

―― この七代目のときに浅草に移転したり。

堀口 ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
明智光秀の真実(1)謎につつまれた前半生
明智光秀は「主殺しの悪人」か?…諸説入り乱れる人物像の謎
小和田哲男
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
歌舞伎の魅力とサバイバル術…市川團十郎の歴史から考える
堀口茉純
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純

人気の講義ランキングTOP10
【入門】日本仏教の名僧・名著~明恵編(1)批判精神と『夢記』
法然の専修念仏を批判…明恵の「あるべきようは」とは?
賴住光子
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(5)AIを最も活用できるのは誰か
実はベテラン層こそAIを存分に活用できる…AI導入の生産性分析
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(16)宮本弘曉先生:AI大格差
【10min解説】宮本弘曉先生「AI大格差」仕事と給料の未来
テンミニッツ・アカデミー編集部
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(4)「国のかたち」を守った男たち
全責任をかぶることを恐れず本義を貫く…樋口季一郎の決断と行動
門田隆将
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
ビジョン講座「直観と論理をつなぐ思考法」(1)「ビジョンドリブン」と創造性
妄想から始まる「ビジョンドリブン」で創造的な社会をつくる
佐宗邦威
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
50代からの親の介護~その課題と準備(1)突然やってくる介護の問題
「親の介護」の問題…優しさだけでは続かない
太田差惠子
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治